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月刊MDスペシャルレポート【ドラッグストアPB商品開発最前線】
アパレルのユニクロ、家具ホームファッションのニトリ、メガネのJINSなどは、SPA(SpecialitysotreretailerofPrivateApparel=製造小売業)という業態に区分され、原則販売する商品すべては自社企画によるプライベートブランド(PB)である。小売業が調達をさかのぼり全商品の生産・在庫管理をすることは容易ではなく、概してSPA企業は優良企業が多い。ドラッグストア(DgS)の主力4部門、食品、日用雑貨、化粧品、医薬品(ヘルスケア)を考えれば、SPA化は現実的ではないが、現在PB商品はDgSにとって大きな意味を持っている。本企画では2022年3月16日に開催されたNFI定例セミナーからその内容を抜粋・編集してお届けする。
(構成・文/月刊マーチャンダイジング編集長野間口司郎)
1店舗当りの人口は5,745人 差別化の切り札がPB
日本チェーンドラッグストア協会の調査によれば、2021年度のDgSの店舗数は2万1,725店舗、売上高は8兆5,408億円となっている。日本の人口約1億2,500万人で割ると、1店舗当りの単純人口(商圏人口ではなく)は約5,754人となり、小商圏化はますます加速している。この減少をオーバーストアともいう。
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オーバーストアの環境下、限られた商圏人口内で自店に集客するためには、差別化、固定客づくりの目玉が必要になる。そのひとつがPB商品だ。あの店(チェーン企業)にしか売っていない商品を買おうという動機づけになり、それが固定客化につながる。
第2に、売上の要素分解は「客数×客単価」であり、「客数=商圏人口×来店頻度」となる。この定義に照らし合わせて、商圏人口が減る分、来店頻度を増やさなければいけない。そのためには消費回数の高い食品の構成比を上げざるを得ず、食品の粗利は低いので店舗全体の粗利益率を上げるためには、粗利の取れるPBを活用するのが効果的だ。調剤強化と並んでPB商品強化は食品構成比が上がるなか、店舗全体の粗利益率向上の有力な手段である。
以上、大手DgSがこぞってPB商品開発に力を入れている主な理由は「小商圏内で差別化するため(固定客づくり)」「粗利ミックスのため(利益向上)」の2つとなる。
PB売上構成のトップはゲンキーの約18%
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