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【ウエルシアHD 松本忠久社長に聞く】完成へと近づく「ドラッグストアの食品売場」
2022年2月期決算でドラッグストア(DgS)としてはじめて売上1兆円を突破したウエルシアホールディングス(HD)。調剤併設、カウンセリング営業、深夜営業、介護の4つを軸とする「ウエルシアモデル」で成長を続けている。とくに調剤事業は好調で売上は2,000億円に迫っている。食品強化の新フォーマット戦略やプライベートブランド(PB)開発など、同社のカギとなる施策について、代表取締役社長の松本忠久氏に聞いた。(聞き手/月刊MD主幹 日野 眞克)
組織の若返りを図り2人の副社長が誕生
—今年5月に決定された人事で、ウエルシア薬局の副社長に首都圏支社長の田中純一氏と中日本支社長の桐澤英明氏が就任されました。若手起用の印象がありますが、人事戦略や支社制について教えてください。
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松本 おっしゃるとおり人事に関しては組織の世代交代が一番の狙いです。これだけ変化の激しい時代、柔軟に考えることができ、なおかつ組織を引っ張っていくだけのバイタリティがある人にかじ取りをしてほしいという思いがあり、経験を積み上げてきた50歳前後の次世代にチャンスを与え育てようということです。
田中は営業畑を一貫して歩んできており、桐澤は商品一筋です。そして両者ともに47歳。お互いの経験を持ち寄り切磋琢磨することで組織も進化していく、こういう狙いを内外にアピールするための今回の人事です。
しかし、会社の将来を担う人材を彼らに固定しているわけではありません。次世代にチャンスがあるということを内外的に分かって頂きたいのです。ウエルシアHDは首都圏、東日本、東海、中日本、西日本の支社制を敷いていますが、各支社長、そして事業会社のトップの多くが50歳前後で弊社はこの年代に分厚い人材が揃っています。
その人たちに活躍の場を与えるのでどんどん成長して頂きたい。その中から将来のトップが生まれるかもしれないし、イオンにも同世代で豊富な人材がいるのでその人たちとも競い合って一番適している人が代表になればいいと考えています。
—支社制を敷いているのは地域密着を徹底させるためですか。
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