看護師が知っておくと役立つアニサキスの豆知識

食中毒でも治療が難しいのが、寄生虫が原因になっているケースです。
天然のサバや鮭などに寄生するアニサキスは、体内に入ると胃や腸の壁に食い入ることがあり、激しい腹痛や下痢、嘔吐などの食中毒症状を引き起こします。
アニサキスの食中毒の治療が難しいのは、原因となっている寄生虫を体内から取り除かなければならないケースがあるからです。
実際、アニサキスによる食中毒の治療では、内視鏡などを使って寄生虫を見つけ、摘出しなければならない場合があります。
こういった治療が必要になると、内科だけでは対応しきれなくなります。
問診などに携わる看護師は、患者さんの症状や発症してからの時間などを考慮して、適切な診療科を案内することが必要です。

アニサキスは、アレルギー症状を引き起こすことでも知られています。
人によっては、アニサキスが体内に入っただけで発疹などのアレルギー症状が現われます。
診療にあたる看護師は、患者さんに呼吸困難などのアナフィラキシーショックの症状がないかどうかも確認しておく必要があるでしょう。
ちなみに、アニサキスは人間の体の中では生き延びることができません。
したがって、発症から数日経過して寄生虫が死滅すれば、自然に体の外に排泄される可能性があります。
寄生虫を排泄するまで対症療法で症状がコントロールできれば、外科的な処置をしなくても患者さんは回復することが多いです。
どのような治療法が良いかはその人によって変わるため、問診の際には持病の有無などの細かい点まで確認しておきましょう。

看護師が知っておくと役立つ他の豆知識は、こちらの記事にも載っています。