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「できるだけ少ない労力で視覚表現」をテーマにしてます

 近年、絵を描くことへのハードルがとても低くなりました。パソコンやタブレットで絵が描けるようになったのは画期的だと思います。手を汚すこともなく消しゴムのカスや筆洗いに煩わされることなく、キャンバスを置いておく場所も色と種類と素材別の画材を買い集める必要もないのですから。
 また、デッサンの本やイラストの描き方、グラフィックソフトの使い方のマニュアルといった良書もたくさん発売されています。イラストはもちろん、漫画やファインアートの分野でも、技術を教えてくれる情報が沢山あって、絵で何かを表現したい方にとっては、創作意欲を刺激される環境になっていると感じます。

ヘッダ画像は、愛用の色鉛筆です。子どもが使いきれなかったモノ(中身はサクラのクーピーとか三菱とか、メーカーがバラバラです)を入れ替えながら使い続けています。ラフの段階では、この12色で充分事足りています。

 私たちは様々な情報を眼で見て感じています。その視覚で得ている情報は何でしょうか。
 人から人へ何かの情報を伝えるときには、情報発信者が伝えたい情報を、言語という抽象的なものに置き換えています。発信する側が言語に置き換えた情報を、受け取る側が再構築し想像することで、はじめて理解にいたるのです。ところが、発信する側にも受け取る側にも、その人にしかない知識や経験・記憶があり、脳の中で置き換えるときにも再構築するときにも、元の情報に何らかの情報が付くこともあれば、欠けてしまうこともあるのです。

 情報伝達手段としての文字は、メディアの基本情報です。基本の情報、つまり文章に図画を追記することで、情報を伝えたい人も情報を受け取りたい方もより理解が深まり、意思疎通がうまくできるようになると思います。映画やアニメでは、文字情報としての台本やセリフに、音楽や色彩といった視聴覚情報が追加されて、初めて作品になります。
 人と人とのコミュニケーションで伝わらないことがあるのは当たり前だといわれます。それでも、伝える側は出来る限り正確に伝えたいのではないでしょうか。発信側が伝えたつもりであっても、受け取る側がイメージを再構築できなかったり、そもそも受け取れない言語であったりすれば、作品の意図は伝わらないと思うのです。それは、医学や科学の分野でも同じだと思います。

 このnoteは、「できるだけ少ない労力でイメージを視覚的に表現するためにはどうすればよいのか」というテーマで発信していきます。絵を描くのは好きじゃないけれど必要に迫られている、伝えたいことを言語で表現するのは得意だけれど視覚情報で表現するのが苦手、そうした方に向けて、職業イラストレーターの現場目線で、描き方のコツを伝えられたら幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。