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ナギ
2014年10月31日 17:47
痛い痛い痛いの針を何度もただただ心臓に刺す足りない足りないまだ足りないんだ悲しみは喉の奥で渦をまく速くなる鼓動 耳の奥に響く鼓動針にまみれた心臓でだって生きられるんだ暗闇の中 ただひとつの光もなくって僕はまたひとり明日へと落ちていく
2014年10月28日 18:33
麻酔を一滴脊髄に垂らして僕は君の骨を拾うこの先にはなにもなくてこの後にもなにもなくて涙は流れない涙は流さない涙は溢れない涙は零れない渇いた目をそっとなぞる僕の目は明日も昨日も見てはいない君の骨を握りしめて麻酔をもう一滴脊髄に垂らして僕は何もない明日へ歩き出す
2014年10月28日 17:59
手も足もしばられて拘束された台の上しろいからだ咽喉を切り裂け腹を切り開けほら そこに真実が見えるって言うんだよ管を差し込んでほら お薬もあげましょうそしたら真実が見えるって言うんだよそれこそが絶対だって言うんだよ台の上白いからだもう動かない真実は、それだけ。
2014年10月28日 03:22
手をつないで長く長くのびた影空はどこまでも高くて僕らは祈りがどこまでも無意味なことをしってたよ長く長くながくのびて消えていった君の影無意味な祈りを捧げたままで消えられなかった僕の影僕はひとり、透明な世界で。
2014年10月22日 00:50
指の先に海を乗せた青く煌めくそれは手首をしたたり落ち世界を青に染めた 君を見つけられない僕は青い世界の中青く染まっていく体をただ眺めた君の名前を呟こうとしてあ、あ、君の名前も思い出せないでただ、青く、青く、全てが青く
2014年10月18日 15:11
君は世界は煌めいて見えるというそんな君を僕は眩しくて見つめられない僕に与えられたものは身を引き裂くような痛みとこのどうしようもない空洞ばかりだ目をそらして暗闇を覗いた僕を包み込む影の中でなぜかひどく安心したなぜかひどく安心した
2014年10月16日 21:40
さよならを塗り重ねて僕はいつまでもここに座ったまま空高く放り投げたはずの感情はいつの間にか降り注いで僕の首を絞め上げる白く白く 視界はどこまでも白く眩暈がする頭痛がする吐き気がする
2014年10月15日 20:07
明日の手から逃れようとして手首に引いた線叫び声は飲み込まれ喉の奥で砕けて散ったぐるぐるとぐるぐると回る視界を青と白の世界に塗りたくってしまえここには怖いことばかりだここには怖いことばかりだここには怖いことばかりだ
2014年10月7日 21:54
狂騒の夏僕は音の海に溺れる腐乱した季節ゆるやかな死君の指は熱を帯び囁き声は風に乗って流れた心臓に悲しみの棘が刺さって痛いなぁ痛いなぁ呟いて、呟いて
2014年10月6日 23:12
煌めく夜深く静かな海を君は水尾を引いて駈けていく息を潜めた僕は水面の下からそれを眺めている長く長くたなびく線君は両手を広げ凛と水尾を引いていく暗がりの僕は君が放つ光を受けて微かに煌めく自分を見つけた #詩
2014年10月1日 01:31
嵐が来るどこか遠くで発砲音僕はクラッカーを手に外へ飛び出すごうごうごうと花が散る強い風僕は目を眇めるひらひらと蝙蝠傘引き千切られてバラバラにここには壊れたものばかりだクラッカーから花が咲く発砲音耳の奥に突き刺さったごうごうごうと花が舞う強い風なにもかもが天へ舞うひとり空を見上げ、僕は。