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no.16 番外編 『商品開発について』③

職人さんについて。

まず、現在開発中のバッグの工程を大きく分けると革職人さんと縫製職人さんに相談しながら進行しております。
革職人さんの方では希望の革が見つかりましたが特殊な材料の為、新しい材料が届き次第の作製。(ちなみにその材料は僕たち希望のスコペルタブルーを作るの為に、わざわざイタリアから仕入れて下さいました。贅沢!)

そして縫製の職人さんと交渉が難航しているのですが、現在交渉中の職人さんについて本日は触れます。

僕はこちらの職人さんにどうしても作って欲しい想いがあります。

以前もカードケースやクラッチバッグを作っていただいたのですが、サンプル作製の時点ではあれやこれやとこちらの希望のデザインを伝えながら相談させて頂きました。

次々と僕の頭の中のイメージを形として再現していく様は、まるで魔法のようでした。

僕自身はブランド品の鑑定士をやっていた経験から、真贋を見極めるためにもたくさんのデザインを細部に渡って触れてきましたが、デザイン上どうしても仕組みがイメージできない部分もあります。
そんな時でも抽象的な僕のイメージを拾い上げ、三次元に創造していく場面を見せられて、改めて職人さんの凄さを認識しました。

そちらの方は実は若くまだ30代前半ですが、中学生の頃には独学でレザーのバッグや小物、シルバーアクセサリーや洋服などを作っていた過去があり、高校卒業後には文化服装学院でオーダーメイドの洋服をメインに物作りをしていました。社会人になってからも大好きな物作りを仕事にして、さらなる経験を積んでいたようです。

心の底から物づくりが好きな方、変わらない情熱を持っている方です。羨ましくもあります。

実はその方は今年の春からご実家の家業を継ぎ、もの作りから離れていました。しかし家には既に立派なアトリエ部屋を用意して、いつでも再開できる状態に・・・

恐縮ではありますが、僕の目から見てもわかります。塗料からミシン、立派な作業台、本当は大好きなもの作りがしたいのだなと。先月アトリエにお招き頂いて、確信しました。

現在はお子さんがまだ小さく、家業の一つでもある農業の仕事が忙しい為一度お断りされましたが、今回のレザーミニショルダーの事についてはラインなどで相談も受けて下さっている状態です。

12月20日の金曜日、アポの時間は取れないと言われていたのですが、了承を得て、半ば強引ではありますが、最寄りの駅に朝から待機させていただく事になりました。僅かにでも時間が空けば、すぐさま飛んでいき、縫製のご了承を頂くためです。

縫製が不可能な理由が時間であるならば、僕にできる事は雑用でもなんでもやって時間を作ります。

勝負の日は明後日、

僕はもの作りが好きで好きでたまらないこの方に、今回のバッグを作って欲しいんです。



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