読書感想文 情報の取捨選択は利害関係にあるか
日中の気温も30℃を切り、涼しくなってきたこの頃、
「気持ちいい〜」
と思う瞬間が多くなってきた。
ランニングをしている時に、パッと吹く風
ドライブ中に、スッと稲刈りが終わった後の匂い
風が気持ちよさを運んできてくれることが多い。
この物理的に吹く風も、スピチュアル的に吹く風(流れ)も感じ取っていけたらいいなと思うこの頃です。
さて、今日も読書感想をしていく。
書籍は、「がんになってわかったお金と人生の本質 山崎元著」である。
今年ご逝去された著者。ファイナンシャル関係では、著名な方である。
「ほったらかし投資術」なんて多くの方が読んだのではないだろうか。
その山崎元さんが、癌を患って最期が見えた胸中を言葉にしている本書はとても興味があったので、手に取った。
まず感想の結論から。
「これからの時代の大きな行動指針となり得るのは間違いなく情報だ。そして情報を受け取るか捨てるかの判断は非常に難しい。なぜなら感情が入り込む余地があるから。つまり、感情を入り込みづらい利害関係のない間柄の人からのフィードバック(情報)は有益である。」
どういうことか。
著者はこう語る。
要するに、投資のプロが、こと癌に関して行動指針を決めるときには素人だと位置付けているのだ。
そこに気づいているのが、山崎さんの凄いところ。
結論、騙してされる(情報提供者は騙そうと思っていないとは思うが)立場であることを認識しているのだ。
多くの方が良かれと思ってたくさんくれる情報が、山崎さんのところで集まって情報の海になる。
その中でも、治療指針に関する相談相手を、
「自分が直接知っていて直接利害関係がない医療のプロ」と決めた。
利害関係はどうしても感情が入り込みやすい。
よく思われたい。
人間本来持っている欲求が、情報の質を落とすことも知っているのだろう。
私も病気等で冷静でいられなくなった時には、肝に銘じたい本書の内容であった。