仕事はシンプルに
私の仕事は、本来、絶対にミスがあってはならない性質のものです。
必ず正解が存在し、失敗するとお客さんにハッキリと分かってしまいます。
そして、締め切りもタイトです。
できるだけ、最小限の作業で早く正確な結果を導き出す必要があるのですが・・・。
この仕事を行うために使用しているあるシステムの設定に問題があり、どうしても、その問題を補うために複雑な手作業をしなければなりませんでした。
ミスが誘発されやすく、お客さんからも苦情が来ていました。
「どうして、いつも、この部分だけ間違っているのですか?」
そこで、ボスがとっさの思いつきで、ある解決策をお客さんに提案し、それ(作業)を行うことになったのですが・・・。
実は、この作業、面倒なだけで、ちっとも問題解決に繋がらないのでした。
おっちょこちょいなボス。問題の本質を理解していませんでした。
その場しのぎで、お客さんを納得させる為にトンチンカンな提案をしたに過ぎないのでした。
(どうして、お客さんもそのことに気付かないのか・・・?)
「いつまでも、こんな複雑で意味の無い作業をしている場合ではない!」
そう考えた私は、早速、この仕事を行うために使用しているシステムの会社に電話をして、問題解決策を伝授してもらいました。
そうして、問題は解決。
ところが・・・。
ボスに、問題が解決した旨を報告し、「無駄な作業を無くしたい」と申し出たところ、何故か、却下されてしまいました。
「ダミーでもいいから、しばらくやり続けなさい!」
(ああ、何たることか・・・)とても、落胆する私。
意味もなく、複雑な作業をしていたところ、案の定、ミスが出ました。
ちなみに、このミスは、仕事に影響を及ぼすものでは無かったのですが・・・。
お客さんが、苦情のメールを送ってきました。
そこで、お客さんに、今まで生じていた問題が解決したこと、そのことによって、今回ミスが起こってしまった作業をする意味が全く無くなったことを説明しました(元々、この作業に意味は無かったのですが・・・)。
「従いまして、今後この作業は廃止させていただきたく存じますが、いかがでしょうか?」などと、問いかけてみたところ、お客さんは快諾してくれました。ちなみに、ボスの許可なく、この提案をしてみました。
問題が解決した時点で、すぐに廃止すべきであった作業をやり続けさせたボス。(どうかしているぜ!)
しかし、いざ廃止が決定すると、感心するボス。
「花甘露さん、ミスをきっかけにしたとはいえ、よくやりました!」
「転んでも、タダでは起きないのだ!」と言う私を苦笑いで見つめるボス。
仕事は、シンプルにするのがベストなのでした(笑)。
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