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変な宗教撃退法

小学校2年生にして、初めて両親と暮らし始めた母。

絶望の連続…。

母の実母(祖母)が幼い母の手を引いて、盛んに連れて行ったのは、なんと、怪しげな宗教施設。

母が、当時を振り返って言います。

「なんかな~」

「たすげな兄ちゃんが出て来てな~」

「『先生』とか言われとんねん…」

「神のお告げを聞くとか、言ってな~」

「皆から、お金、巻き上げよんねん…」

「アホくさい!」

母は、ロクにご飯も食べさせてもらっていませんでした…。

「あの婆さん(祖母)、お金無いくせに、あんなしょうもない兄ちゃんに、せっせとお金渡しよるんやわ!」

「そんなんやったらな~」

「私に、リンゴのひとつでも買うてくれたらエエのに!」

メラメラと、怒りの炎が湧いて来た母。

闘争開始。

祖母に向かって…。

「お母さんな~、付き合っとる人達がおかしいねん!」

「しょうもない人間とは、サッサと縁切らんかー」

「ほんで、なんや?」

「あのオッサン(母の実父)は?」

「あんな狂った男とは、早う離婚せんかー」

「なに、人生、諦めとんかー」

「もっと、しっかりせなな!」

幼くして、実母に説教。

可愛げの無い娘に、ビックリ仰天する祖母。

「こんな事ではいけない!」と、母に「もっと大人しくして、可愛げを出さなアカン!」と諭してみるも、既に手遅れ。

生まれてすぐに捨てられた母は、過酷な幼少期を過ごして来たのです。

心は常に嵐。

こうして、祖母と母との対立の日々が始まったのですが…。

母の存在によって、怒りの感情を出す様になった祖母は、自然と変な宗教から遠ざかります。

扱いにくい娘が登場したことで、宗教どころではなくなったという側面もあったのかも知れませんが…。

母が、私に言いました。

「不幸な人ばかり、狙いくさって!」

「宗教を勧誘するヤツらは、『なんか悩みがありますか?』とか聞いてきよるんやわ!」

「そういう時は、『なんにも悩みありません!』って言うたら、すぐに帰りよるさかい!」

「アンタも、勧誘されたら、そうしたらエエわ!」

ちなみに、母は結婚後、本当に深刻な悩みが無いのでした(笑)。


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