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お弁当

母は父に「最低限の事しかしない女」と茶化されていました。

残念ながら、とても的を得ています。母も否定しません。

母の作る(正確には詰め込む)お弁当は、超シンプル。

前日の残り物をただ入れるだけ。色彩も何もあったものではありません。

蓋を開けた瞬間、おでんのコンニャクとごぼう天だけが入っていたことも。

ある日、母が足を骨折。父が私のお弁当を作りました。

蓋をあけてびっくり。とてもカラフル。お弁当らしい感じです。

おかずも、しっかりと作られていました。

友達が言いました。「どうしたん?今日、お誕生日?」

大人になって、この話を知り合いにしてみたところ、

「乙女なら、自分で作るものです」とのお答えが。

そう言えば、私もあまり他の人のお弁当に興味がありませんでした。別に私のお弁当が他の人からどう思われようとも、全く頓着していませんでした。母に、お弁当の文句を言ったこともありませんでした。

何とも、のんきな子供なのでした。



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