母親たちの受験当日〜持ち帰ったお弁当箱〜
今年もセンター試験がやってくる。関東地方も雪の予報が出て、受験生やその家族は気が気ではないだろう。そういえば長男が受験の時も、念のため受験会場の近くのビジネスホテルを予約したっけ。(結局、雪にはならずにすんだ。)
母親ができることといえば、後方支援だけだ。
試験の日にいいコンディションでいられるように衣食住に気を配るくらいで、あとは気を揉んでいるだけだ。受験生に気を遣いすぎる、もしくは気を遣っているところを見せてしまうと、過度のプレッシャーをかけてしまう気がしていた。だから、なるべく普段通りでいるようにしたつもりだけど、上手くいっていたかはわからない。
受験が終わってから高校のクラスの保護者で集まったときに、センター試験の日の話になった。
「試験が終わって子供が帰ってきたときには、出来たかどうかは聞けなかったよね」
「そうね、本当はすごく気になったけど、なるべく普通に『お帰り~』って言ったよね。」
その時、母たちが子供の試験の様子を知るのは持ち帰ってきたお弁当箱。
空のお弁当箱を見たら、ちょっと安心する。一方で、おかずもフルーツも好物を入れたお弁当なのに、おにぎりの三角の角をひとくちだけかじっただけで帰宅した子のお母さんは、最初の科目で失敗してしまってお昼ごはんが喉を通らなかった娘を思って、お弁当包みをあけた時に涙が出たと言っていた。
見えないところで、母親たちもひっそりと戦っている。
今年の受験生、そして母親たちがこころ穏やかでいられますように。
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