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助かったけど不満?

ある日、父の上司が、山奥で自損事故を起こしました。

この上司、とってもキザで格好付け(笑)。

履いているパンツは、虹色で、お洒落さん。

下着泥棒が、女性のパンツと間違えて、盗んで行きました(笑)。

この上司は、皆にみっともない格好を晒したくないと考えました。

そこで、呼ばれたのが、父。

「助けに来てくれないか!」

父は人の秘密を、ペラペラと話し回ったりはしません。

しかし、残念ながら、父は転勤して来たばかりで、土地勘がありませんでした…。

そこで、父は、ある人物を頼ろうとしたのですが…。

この人物も、父と同じ職場で働いていました。

大変面倒見が良く、人は悪くないのですが…。

ちょっと、滑稽な人物。

彼は、愛鳥のピーコに、あんこを食べさせたりして…。

結果、ピーコは鳴かなくなってしまい、慌てて動物病院へ駆け込んだのでした…。

父の上司は、土地勘のある彼に電話せずに、敢えて父に電話したのです。

このことは、父も重々承知。

しかし、慣れない山道。

しかも、夜。

父まで、事故を起こすことは、避けなければなりませんでした。

父は、上司に、ピーコの飼い主を道案内として、連れて行っても良いかどうか尋ました。

上司は、渋々、許可。

父の運転する車にピーコおじさんを乗せて、救助に向かいました。

幸い、上司は大したケガもなく、無事でした。

しかし、父の上司は、不満でした。

次の日、ピーコおじさんが、皆の前で騒いでいました。

「俺が、助けてやったんだ!」

これに大変恐縮する父。

でも、父の判断は、正しかったと思うのです。

緊急事態に、見栄なんか張っている場合ではないのでした…。


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