変人の挫折
この度、今の職場を去ることが決まった私。専門職です。
これまで渡り歩いて来た職場の中では、桁違いに規模の大きい会社でした。
それまでは、小さな組織で働いていました。
絶対的権力者であるボスが君臨する恐怖の職場環境(笑)。
普通の人間が務まる環境ではないのです。
かなり癖の強い人達相手に、如何にめげないでやっていけるかが重要です。
仕事をはじめ、思考や精神状態にまで、効率化を進めていきます。
時には、馬鹿馬鹿しい冗談を言って周りを笑わせたりといった様な事をして、皆が壊れてしまわない工夫も必要でした。
常に刺激的といった面では、狂気にも似た充実感がありました(笑)。
そんな私が、今の職場に来て驚いた事。
一切の工夫が許されないのです。
効率が悪い方法をひたすらやり続けなければならないのです。
理由は、「前からそうだから」なのだそうです。
今までは、仕事さえできれば、やり方は全く個人の裁量に委ねられていました。その代わり、酷いパワハラに耐えねばなりませんでしたが・・・。
そして、親切心でプラスアルファの仕事をすると、叱られてしまうのです。
事務は恐ろしく細分化されていて、前後の繋がりもよく分かりませんでした。誰がどの仕事を担当しているのかさえ、分からない事も珍しくありません。問い合わせのメールが、転送に転送を重ねてやって来ます。
周りとのコミュニケーションはほとんどなく、職場は常にシーンとして、息が詰まりそうです。しばらくの間、隣の席の人がどんな仕事をしているのかも知りませんでした。
困った時に、少しでも誰かに声を掛けると、叱られてしまいました。
PCのどこかにマニュアルがあるのだそうです。
聞けば1秒で済む事が、マニュアル探しで1時間以上。
この様な大きな組織で働いていて、学んだ事。
それは、没個性で余計な思考を停止する事が、保身の為には重要である事。
自分の意思や考え、感情を捨て去り、ロボットの如く働く。
大丈夫!マニュアルがあるから、忠実に実施すれば良いだけです(笑)!
マニュアルに書いてある事以外、やらなくて良いので、楽ですね!
(やったら、酷く怒られます・・・)
人から何か尋ねられても「あっ、それ、知っているけど、今の私の仕事じゃないんでね!」と、無表情で言えばOK。
残念ながら、私は変人(?)なので、この集団に馴染めませんでした・・・(笑)。
再び、小さな組織に舞い戻る私。
果たして、どんな事になるのでしょう・・・。