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最後にケチは勝つ!

母の弟の息子(私の従兄弟)。

地べたに寝転んで、泣き叫ぶと、親が自分の望みを叶えてくれる事を知っていました。

母が、言いました。

「アイツ(弟)、子供を甘やかしくさってからに!」

「親っちゅうモンは、何で男の子にだけ甘いんや?」

「長女には、冷たく接しよるやないか!」

ちなみに、私は、親に「物を買え!」などと騒いだ事などありません。

それはそれで、不満そうな母。

「アンタ、欲しいものも無いとか、おかしいで!」

「何か、欲しがってみぃ!」

(そう言われてもね…)

ある日、この強行おねだりをする従兄弟が、ドケチな祖父と一緒に釣りに出かけました。

帰り際、従兄弟が騒ぎ出します。

「じいちゃん、タクシーで帰ろうな!」

ドケチジジイがタクシーなんか乗る訳もなく…。

従兄弟を無視して、歩き出します。

そこで、従兄弟は、例の得意技を披露。

道路に寝転んでジタバタと泣き叫びます。

「タクシー、乗せて~な!」

「僕、疲れた!」

「歩きたくないネン!」

ドケチジジイは、ここでも負けません(笑)。

ひたすら無視を貫きます。

結局、従兄弟は2km以上の道のりを泣きながら歩いて帰ることに…。

祖母が、言いました。

「あの子(従兄弟)は、アホなんか?」

「あんな爺さんと出かけたら、どうなるのか、分からんのか?」

「早く気が付かなアカンで!」

「あんな者に懐いてからに…」

祖母もこの従兄弟には甘く…。

「タクシー位、乗せてやればエエのに!」

そう、こぼします。

この難儀な従兄弟に勝てるのは、祖父だけ。

一連の勝利(?)の物語を祖母に得意気に語ったのでした…。

「ワシ、負けへんかったで!」

ケチパワー、恐るべしなのでした…。


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