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Photo by
bantya_teitoku
決めるのは誰?
母は、懸念していました。
自分の産んだ子供(私)が女の子だったため、父に粗末に扱われないかと…。
母の実母は、生まれたばかりの母を捨ててしまった過去があります。
その理由の内の一つが、母が女の子だったというもの。
「どうせ、嫁に行くだけの女の子など育てても仕方がない…」
「男の子の方が、将来稼いで家計を助けてくれ、老後の面倒を見てくれるだろう!」
母は、親に名前も付けてもらえませんでした…。
「クッソー!」
そこで、母は考えました。
「お父さんに名前を付けてもらおう!」
「自分が名前を付けた子の方が、粗末にしにくいだろう…」
ちなみに、父が女の子を粗末にすることはありませんでした。
もともと、女性である母に対しても、偉そうにすることはありません。
妻子は、基本、放し飼い(笑)。
「自由にやれば、よか!」
すると…。
母は、私に対して、女性らしくあるための教育を放棄。
「世の中は、厳しいんじゃわ~!」
「チャラチャラ男に媚びて、物なんかねだるんやないで~」
「乞食根性で、生きて行くなよ~」
これを見た母の実母は、慌てます。
「花甘露がお嫁に行かれへんかったら、どないするんか?」
そして、2人は大喧嘩。
「しょうもないこと、言いくさって!」
「自分(祖母)、無理矢理結婚して不幸になったんやろ~」
「くだらん男(祖父)にしがみ付きやがって!」
(あ~あ…)
父は、言いました。
「どう生きて行くかは、花甘露が選ぶことたい!」
「自分が生きて行きやすい様にすれば、よか!」
父が、幼い私に決断を委ねたことにより、祖母と母の対立は、より激化したのでした…。