経営者が切り捨ててはいけないこと
今月末、特殊業務を担当していた女性が退職することになりました。
この仕事、同業者でも扱っている所はほぼ皆無です。
そんな訳で、相当な業務量をこなしていた彼女は、遂に燃え尽き退職してしまうことに…。
彼女には、アシスタントがいますが、結局は、人に仕事を任せることができない性格故、後継者が育っていませんでした。
しかも、何故か、彼女だけは絶対に辞めないと皆に思われていました。
「こんな劣悪な環境であんなに頑張れるのは、ボスに恋愛感情を抱いているからに違いない!」などと噂されていた程です。
まあ、客観的に見て、男前に分類されるであろうボス。
性格は、滅茶苦茶ですが…(笑)。
本来、彼女の後任者はアシスタントの女性であるべきはずが、ボスは、新しい人を雇用し、その人を後任者に指名しました。
この新人さん、全くの素人。
たった2週間の引き継ぎで、業務を回して行くのは困難に違いありません。
焦るアシスタントの女性。
今まで溜め込んでいた不満が一気に爆発。
退職する女性に怒りをぶつけます。
「あの穏やかな人がキレている…。」
職場の空気が、凍りつきます。
もともとは、ボスのマネジメントがまずかったことが原因です。
取り敢えず、目の前の仕事さえ片付けられれば良い!
その他のことは、オレ知らない!
こんな考え方でいるから、問題が起こった時の備えができていないのです。
昨年も優秀な従業員に退職されてしまい、仕事が滞り、今、お客さんから苦情の嵐となっています。
アシスタントを雇ったのも、共同経営者であるコンサルチームのボスが見るに見かねて、実務チームのボスに進言したからなのでした…。
「あのままでは、○○さんは、過労死してしまいます!」
すべてが、その場しのぎの自転車操業。
ボスは、決して未来を見ようとはしません。
人を育てる時間より、今稼げるお金の方が大事。
連鎖退職者が出て、皆がどういう心理状態になるかということについても無関心。
従業員間でトラブルが生じる様な体制を敷いていても、経費削減できるから、その方が得という考え。
今になって、じりじりとツケが回ってき始めました。
「この組織は、もうじき崩壊する!」
アルバイトのお爺さんが私に警告します。
彼、実は個人事業主でもあります。
社長さんとしての彼の勘は正しいと私も思うのです。
人間というものを見つめていない経営者には、それなりの結果しかやって来ないのでした…。