報われた（？）母の善行

母の実母（祖母）は、思っていました。

娘（母）も結婚して子供を持てば、少しは苦労をし、自分（祖母）のしてきた苦労を思い知るハズだと。

何しろ、母は大変気性が激しくて、自己主張しまくる子供で、祖母は手を焼いていたのです。

でも、祖母にも原因はあります。

生まれてすぐの母を捨ててしまったのですから。

小学校２年生で実母の両親の所に逃げ帰って来た娘は、実母の言うことを聞く様な素直な子供ではありませんでした…。

祖母は、母に言い聞かせました。

｢貧乏人らしく、大人しくしとけ！｣

｢人生、諦めが肝心や！｣

｢自己主張するな！｣

｢欲っちくなるな！｣

ところが…。

過酷な幼少期を経た母は、ガッツマンに成長。

諦めは悪く（？）、大手企業に就職する等、祖母を驚かせます。

祖母の期待とは反対に、不幸に耐える様なマインドは一切、持ち合わせていません。

｢私は、こんな貧乏生活からオサラバするのよ！｣

母の結婚が決まった時、祖母は大変喜びました。

｢これで、娘も少しは人間が丸くなるハズ…｣

しかし、…。

余りにも幸せになり過ぎた娘に拍子抜けする祖母。

そして、…。

｢お父さんは、何をやっとるんか？｣

｢お母さんをちゃんと教育せなアカンやろ！｣

この発言に、母は激怒🌋。

｢あの婆さん、娘を妬みよってからに！｣

｢幸せになって、何が悪いんじゃい！｣

父は、言いました。

｢ばあちゃんもできんかったことは、お父さんにはムリたいね( ´∀`)｣

でも、父は祖母と違って、母と仲良く暮らしています。

母は育児ノイローゼになるも、子供慣れしている父の助けもあって、事なきを得ました。

祖母も母に家計を助けてもらっていた手前、無視できず、子育てに参加。

その間、母はお布団の上（笑）。

この恵まれた（？）感じの母を見て、更に複雑な心境になる祖母。

｢何か、違うかも…｣

祖母は、母に頭が上がらないのです。

娘に対する恩義と複雑な心境の狭間で揺れ動く祖母。

母が、しみじみと言いました。

｢あの婆さん（祖母）、可哀想やな～｣

なんとも奇妙な親子関係なのでした（笑）。