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K-Pop・ジャニーズ・声優・2.5次元などの様々な畑を経験してきたオタクが霜降り明星・粗品にハマった理由
27年間生きて人生で初めてお笑い芸人の単独ライブに行って衝撃を受けたのでその気持ちを綴りたいと思う。
「お笑いはなぁ。私が一番好きなのはカッコよくて可愛い、歌って踊るアイドルとかそういう人だからハマる気はしないなー。」
そう思っていた私がお笑いの、しかもコンビで売れているお笑いの片方の独ライブというニッチなイベントに足を踏み入れてしまったのだ。
4/21/2023(金) 有楽町 朝日ホール「電池の切れかけた蟹7」
霜降り明星の粗品の単独ライブに参加してきた。
人生で初めてお笑いライブに行った事と、霜降り推しの友人から聞いた情報含め、色々な衝撃を受けたので感じたことをありのまま書きたいと思う。
私が粗品を気になり始めたきっかけは、以前Tiktokに粗品が毎日アップしていたMeghan Trainorの"Title"という曲を「フェンシンファンシンフォンシンフェン」という無意味な歌詞に変えて歌い、自傷をし最後に奇声を上げる動画のシリーズを見たことだ。
既存の霜降りファンである友人からは”このハマり方は異常”と言われている。自分でもなぜこんな奇妙なコンテンツにハマったのかは今考え直してみてもよくわからない。
ただ、長年オタクをやってきて直感でピンときたものがあるのか、単なる偶然なのか、粗品はTiktok以外でも凄く面白かったし、何よりも見れば見るほど、自分の魅せ方や売り方をアイドル等よりも熟知していると個人的には感じて衝撃を受けた。
私の勝手な想像ではあるが、お笑いファンの方はきっとその芸人さんがショーレースで優勝したり、仮に敗退しても記憶に残ったり活躍したりして、ゴールデンタイムのバラエティ番組に進出して、冠番組を持ったり司会業を始めたりする流れのうちのどこかから知って応援しているのだと思う。
霜降りもM-1優勝してるし既存お笑いファンも大勢居るとは思うが、粗品はその流れを汲まずとも入れるし、入り口があまりにも広すぎるから、例えばドルヲタ等、既存のお笑いファンでは無い幅広いファンが集まりやすく、そのファンの反応によって更に進化していく霜降りを見ることができる。自分の中にある固定の「お笑い像」を粗品がぶっ壊してしまったため、その在り方がとても輝いているように見える。
上記の点も含め、粗品についてドルヲタ目線で特に感動した点をまとめてみた。
・露出が売れてるお笑い芸人特有のバラエティ番組の出演だけじゃない所
・漫才以外にもフリップネタや替え歌など、幅広いジャンルの笑いを扱う所
・Youtubeの更新頻度が高すぎる所(しもふりチューブ・粗品個別チャンネルは毎日、粗品のサブチャンネルも更新もたまにあるし使い分けてる)
・世代が近いからネタに親近感が沸くところ(アニメ/ゲーム/ネットネタ等)
・主流SNS(Youtube/Twitter)のみならずTiktok/Instagram/755を使いこなす所(+それらを活用しキャラを保ちながらファンの欲しいものを素直に聞き入れて実行する所)
・Youtubeで大口金額の投げ銭をする人(太客)を認知・優遇している所
最後の2点については、特に衝撃を受けたため、詳細を説明したいと思う。
1つ目、755などありとあらゆるSNSをフル活用している点
Youtube Twitter Instagramについては説明が不要だと思うので755について説明をしたいと思う。
755とは、主に坂道系などの女性アイドルが使用するファンと交流できるSNSである。スクショをみせた方が早いので貼る。
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主に何をする場所なのかというと、
・ファンの呟きを引用してコメントする
・ライブの告知をする
・日常会話で交流をする(「〇〇について教えて」とか突然聞いてくる)
・次のイベントで何やりたい?どんなネタ出して欲しい?と意見を求め、一部の意見はガチで採用してくれる
スクショにもあるが、今週は「みんなやっぱGW暇なん?」って質問した後、「今日対策あげるからGWでゆっくりみたらええやん」と呟いた後に1時間半のイベントの動画アップしてくれる。優しすぎやろ。
飽きる暇がないんですよ。不定期に色々なチャンネルで更新があるから。
Kpop風に言ったらカムバ前の空白期間とか無いって事だし、アニメ・声優ヲタ的に言うと推しの今期のアニメ出演ゼロも無いって事。チケットやライビュの面倒な応募や落選した際のチケット探し、そういった推しのために必要とはいえ苦行の事務処理をサボっても毎日家からサクッと隙間時間に見て楽しめる。これって、すごい。究極のエンタメでは?
755以外のSNSについても1つ言及したい。 粗品はよく自分のやって欲しいこと、今計画してること、動画やネタを投稿した際にファンの反応の多かったものについてより多めに実行するようにしたり、何が代わりに欲しいか素直に聞いたりする。大事なのは、ただファンの言う事を聞いているだけではなく、ギャンブラー・毒舌など自分のキャラを保ちつつ、ファンが何をみたいのか直接聞き取りに行って実行する姿。エンタメ企業でもなかなかこれできていない所の方が多いと思う。いち会社員としても尊敬できるところが多すぎる。
以下がその自分今後の路線やYoutubeチャンネルについての決意表明を語った動画だ
2点目、「太客文化」について
太客ってホストとか風俗系の用語と思うのだが、とにかく沢山金を貢いでくれる客のことを言う。
粗品の場合は自身のYoutubeチャンネルに1回で1万円以上送る人のことを太客と呼び、それらの人を大事にしており、全員ではないが結構な確率で認知している。ちなみにスパチャを送る客のカーストは以下となっている。
カス ー 0円
細客 ー 1〜9999円
太客 ー 1万円以上
金塊 ー 数万円超え
「CDや写真集複数冊買ってチェキ周回してる方が安あがりだし良いのでは?」そう思うオタクもいるだろう。違いは明確にあるから説明させて。
粗品の単独ライブでは「太客と話すコーナー」がある。
「太客の人手をあげてー」と粗品が聞き、客席にいる手を挙げた人に名前を聞く。
ここで驚きなのが、粗品が結構沢山の太客をカンペなしで認知している点である。
「この子は、ジャニーズの7MEN侍から"担降り"して俺の太客になった子や」
「この人らは、師匠と弟子という関係で2人して同時に俺の配信でスパチャ送ってくれるんや」
「こいつは太客やしハガキ職人でもあって、この間もオールナイトニッポンで〇〇って送ってくれたもんな〜」
「この子は元々コンカフェ?コンセプトカフェの男が好きだけどその男が俺のこと好きやからって俺の配信にも太客として来てくれる子や」
ハンドルネームを聞いただけで太客に対する詳細の情報が出るわ出るわ。自分が主役の舞台上で言うのだ。他のジャンルではなかなか見ない光景だと思う。
この太客文化の面白い点は、「金ありきの関係性」が他ジャンルのコンテンツよりも明確に、本人によってリマインドされるため、害悪なオタクが発生しにくいという所だ。太客はお金を払ったから認知もされるしコメントも読まれるしボロカス言われない。金を払わない場合は読まれることすらない。なんて分かり易くて見ていて気持ちがいいのだろう。
アイドル俳優声優界隈には必ずガチ恋と呼ばれるファンがいる。個人的には他人に迷惑をかけない限りガチ恋ファンは全然存在してても良いと思うが、どうしてもこうやって本人接することができるイベントが存在したりすると誰が認知されてるだの、古参はこいつ、最近のお気に入りはあいつとか訳のわからないカーストをオタクが独自に作り出してで揉めたりするので、そういったトラブルを防ぎつつ太客を育てることができる粗品のファンダムは精妙な構造となっている。
カーストは粗品が明確に提示してくれている太客、金脈、その他しか居ないわけで払った額で決まるわけだから変な勘違いは生まれにくいし、何よりも人気商売において「お金を介さないとまともな対応をしない」と明言するのってなかなかリスキーで難しいと思うが、それができてしまうところがやっぱり凄い。
推しコンテンツ商売が当たり前になり、個人的には既存コンテンツに飽きていた中突如現れたスーパースターこと粗品には、今後もカスなりにゆるく楽しませてもらいたいと思う。
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