勝ち気で目標に向かって頑張る人が注意すべきこと
私が伝えている「インドの伝統医学・アーユルヴェーダ」の理論を用いて、人間の本質を分析し、今の状況や自分の能力の活かし方など、そして季節に合わせた心と体の健康の話をする、「おSENTOロックショウ」シーズン2。
毎週水曜日21時から、YouTubeチャンネルとFacebookライブで生配信している。
そして配信後に、noteでその振り返りをテキストでまとめているのがこれ。
今回のゲストは、10年通える白神こだま酵母のパン教室「ル・プチ・ボヌール」主宰のゆみパン先生こと、岡田友美佳さん。
配信仲間でもあり、私も出演させていただいて、少しアーユルヴェーダ分析の話をしたことも!
今は、パン作りの講師として大人気の先生だが、高校3年生ぐらいから35歳まで摂食障害を抱えていたそう。
治そうと思うのをやめたら治った!
パン作りが面白すぎて考えなくなった!
そんなゆみパン先生のカウンセリングの中では、食べることと生きることの話をさせてもらった。
※この記事では、アーユルヴェーダの健康のあり方をベースにお話ししています。そのベースは動画の冒頭で10分程度で説明しているので、アーユルヴェーダをご存じない方は、ぜひ動画の最初を少しだけ見てからお読みください。
肉体的な状態は良好
前回の小園さんもだが、肉体的にバランスが極端に乱れ、体調が悪い、と言ったところはほとんどない。
ただ、チェックの数と普段から受ける印象が食い違っていた。
前にも、ゆみかさんにお話ししたのだが、「火のエネルギーが強そう」と伝えており、とにかく勝ち気で負けたくなく、完璧主義で、いつもリーダーになりがち。
私にはそう感じられたし、ご本人もそう認識していた。
でも、チェックしてもらうと風、火、水のエネルギーのポイントにほとんど差がない。
最初は疑問に思っていろいろ質問させてもらったのだが、確かにそれぞれの面を持っているとも言える。
ただ、チェックしている内容と実像に少しずれがあるようなところが気になった。
火のエネルギーのタイプ
子どもの頃のあり方を聞いても、ゆみかさんには火の要素が多いと感じた。
クラスでは生徒会役員をやるタイプ、
誰もやらない時に責任を感じ、私がやらなければと思う、など
前に出ることをいとわず、その力を楽しむ姿がある。
つまり、本来は火のエネルギーが強いことは間違いなさそう。
そして体力があるので、水のエネルギーも強め。
風の部分はあまり多くはなさそうだが、アンケートでは多めに出ているのは自己認識のズレだったり、摂食障害時代で乱したものが現れているのかも知れない。
火のエネルギーの人は理想や目的に向かって猪突猛進する。
こうありたい、こうなりたい、そのための努力を惜しまないのだが、向かうエネルギーが強すぎて、自分ではない何かにでもなろうとしてしまうし、なれてしまうことがある。
自分の持っているものとズレていても、気合いと努力でなんとかねじ伏せて、つじつまを合わせるパワープレイが出来てしまうのだ。
また、プライドも多分にあるから、出来ない自分やダメな自分を魅せたくないので、さらに努力する。
こういう努力は素晴らしいものであり一般的には褒められるので、こうしているときの火の人はうれしいし、喜びを感じ、さらにがんばろうと進んでいく。
ただ、自分がこうだと思ってる自分と本質とには差が生まれてしまうこともしばしば。
ゆみかさんの場合も、がんばり屋さんが故の火のエネルギーが自己認識のズレを生んでいる可能性はあるなあと感じていた。
実は、私もかつてテレビの仕事をしていた時は、これをやり続けていた。
しかし、途中から楽しさを感じなくなり、肉体的にもしんどくなり、何か違和感を感じるようになっていく。
おそらく長いこと火のエネルギーを燃やし続けてがんばったので限界に達し、無理をし続けた体の負担が一気に押し寄せ、続けられなくなってしまったように思うのだ。
そして仕事を辞めてから10年、自分らしく生きることを模索してきて、ようやく最近、しっくりハマってきた気がする。
だから、ゆみかさんには過去の自分を重ねて、ちょっとがんばりすぎなのではとお節介に思ってしまうところがあったのだ。
食べては吐くという行動
ゆみかさんは、摂食障害でも食べた後に吐いてしまう、いわゆる過食嘔吐だったそう。
アーユルヴェーダ的にこれがどういうことを引き起こすか、正確に勉強した記憶はないのだが、原理原則をあてはめて考えると、体の中で食べ物を移動させる力は風のエネルギーの「動かす力」なので、この風のエネルギーには影響があると思う。
現在、風のエネルギーが多いタイプのような傾向があるのは、長年、摂食障害で風が増悪してきた、という可能性はあるような気がする。
自己評価と認識のズレ
今のゆみかさんは、痩せているように見える。
でも、ご自身では「ぽっちゃり目」と言っている。
この辺にも、火のエネルギーの人の「理想が高く基準を厳しく設定している」感じがうかがえた。
今はどちらかといえば「スタイルがいい」部類であることは間違いがないので、今の自分をちゃんと俯瞰して見ること、正しく評価し、受け入れて褒めてあげることを忘れないで欲しいなと思う。
努力の仕方を工夫する
私もそうだったが、「まだ足りない」が動機で努力をし続けると、いずれ力尽きる。
足りないと思ってるうちは、自分が不完全と思っているからであり、いわゆる自己肯定感と言うものが満ち足りてない。
この辺の話はこの動画で話しているので見てもらいたい。
「今も十分だが、もっとよくなりたい」
そういう設定にしてみると、同じ努力をするにしても変わってくる。
実際、ゆみかさんは十分に努力して、素晴らしい成果を上げてきた。そしてこれからももっともっと素敵に進化していくはず。
だからこそ、今までの自分の成果やがんばりをちゃんと受け止めて、荒波を乗り越えてきた自分をいつくしんで、いたわることをスタートにしてもらいたいなと感じる。
そして、火の思考を少し抑えて、感情や感覚をきちんと感じていくことも重要だ。
それも、プラスの感情だけではなくマイナスの部分についても、しっかり感じきることが大切。
私も火の人の「前を向く思考」が故に、マイナスの出来事にも泣くことがほとんどない。
つらい、悲しいと思うより前に、問題解決する方法はないか、どうしたら傷を最小限に出来るか、という対処法を思考してしまうからだ。
これが、ものごとを進めるためには素晴らしい能力なのだが、これにより、いつの間にやら心を置き去りにしてきたことに気づいたのは、ここ数年のこと。
これは、もはや癖なので、放っておくと気付かずどんどんスルーされていく。
だからこそ私は今、心はどう感じているのか、悲しくないか、しんどくないか、あえて意識して問うことを忘れないようにしている。
何事も建設的に進めようとする人は、どこかで立ち止まることも必要で、ちゃんと心を見つめる訓練が必要なのかもしれない。