「心配」と言う名の自己都合行動
「インドの伝統医学・アーユルヴェーダ」の理論を用いて、人間の本質を分析し、私の考える仮説を元に、今の状況や自分の能力の活かし方を提案しているのが、「おSENTOロックショウ」シーズン2。
毎週水曜日21時から、YouTubeチャンネルとFacebookライブで生配信している。
そして配信後に、noteでその振り返りをテキストでまとめているのがこれ。
今回のゲストは、日本刺繍の作家であり先生であるフローレンこと、花澤浩子さん。
フローレンは、とても真面目でしっかり者で、日本刺繍と言う伝統工芸の一端を素晴らしい技術で支えている貴重な才能の持ち主である。
だが一方で、どこかふさぎがちになったり、重いものを抱えているようなところを感じる。
そこには、親との関係性が大きく関わっているようだった。
※この記事では、アーユルヴェーダの健康のあり方をベースにお話ししています。そのベースは動画の冒頭で10分程度で説明しているので、アーユルヴェーダをご存じない方は、ぜひ動画の最初を少しだけ見てからお読みください。
水のエネルギーが多い状態
事前アンケートの結果は、水のエネルギーが多めの状態。
本質的にも水の傾向は強そう。
色白で太りやすい
寝るのが好き
よく眠れる
食べなくても平気
長時間じっとしてられる
忍耐強い
この辺は、水のエネルギーっぽさが出ている。
何より、日本刺繍と言う細かい作業を、長時間座ったまま、やり続けられるのが水のエネルギーが強い証拠だろう。
日本刺繍とフローレンの本質は、かなり相性が良かったと言えるのだ。
風のエネルギーがあった可能性
だが、一つ気になることが。
小学校前のフローレンは、活発で運動神経が良く、かなりおてんばな感じだったらしい。
それが過ぎて、小学校1年生の時にケガをし、それ自体はたいしたものではなかったのに偶然の不運が続いて悪化してしまい、警察を巻き込んでの大騒動となったらしい。
それをきっかけに、運動が嫌いになったという。
ここから考えるに、フローレンには風のエネルギーの要素もあったのではないかと思われるのだ。
このケガがいろんなことを変えた
小学校1年生の時のケガが、活発だった一面を封印してしまうことになったフローレン。
だが、この時失ったのは、それだけではなかったようだ。
フローレンは、子どもの頃から親が全部を決めたと言い、だから自分の思い出とかがあんまりない、そんな風に話す。
その強力な過干渉は、このケガをきっかけだったのではないか。
可愛い娘がケガをして顔が腫れあがり、それを泣きながら病院に運んだ時の親の恐怖は大変なものだっただろう。
だからこそ、もう二度とそんなことが起こらないように、と、決意新たに子どもを守らなければ!と思ったに違いない。
実際、ケガの後、フローレンは転校を余儀なくされ、その後はより強い親の意図や指導のもと育てられている。
一方で、フローレンもそれに不満を持ちつつも、決定的にあらがうことはなかったようだ。
おそらく、それも水のエネルギーがあるがゆえ。
水が多い人は忍耐強いので、ある程度はガマンできてしまう。
さらに、考えや感情が緩慢なので、怒りや不満をすぐに表現できず、タイミングを逸してしまい飲み込みがち。
私のように火が強いと、不満と怒りで「親の言う通りにはならない」と固く誓って静かに戦っていくのだけれど、そういうこともなく不満が心によどみを作っていった感じだろう。
心のよどみは「惰性」でもある
アーユルヴェーダでは、心の質は3つあると考える。
肉体の質(風・火・水)と異なり、心の質はバランスよく、ではなく、純粋性(サットヴァ)と言う質がたくさんあればあるだけ良しとされる。
激性(ラジャス)と惰性(タマス)は、少なくて良いとされている。
そして、それぞれが肉体のエネルギーのバランスとも関わる。
フローレンの場合、もともと水のエネルギーが多めで、今は悪化に近いような状態と思われるので惰性も増えている可能性が高い。
または逆に、心の惰性が増悪したために、肉体の水のエネルギーも増加している、と言う風にも考えられる。
惰性が多い=タマシックな状態とは「無知」と言われる。
考えるのが面倒、生きるのが面倒、そんな風に思考停止、思考を放棄したような状態だ。
どうでもいい
めんどくさい
やりたくない
腰が重く、思考が動かず、すべてが停滞する感じがタマシックである。
そう考えると、親がすべて決めて、それに従ってきたというフローレンは、自分で考えることを放棄してきたとも言える。
つまり、長いことタマシック状態にあったのだ。
実は、人の言うとおりにした方が楽、そういうタイプもいるから、それ自体は良くも悪くもない。
だが、その結果を他者のせいにするのは違うというだけ。
フローレンは結局、不満がありつつも、対立するめんどくささを避けて楽さをとってきた。
それは自分が選択した道なのだ。親の問題ではない。
たとえ、その時は選択せざるを得ないという状態であったとしても、自分の人生は自分のものだから、誰かの責任にするより受け取ってしまった方がシンプルになる。
大事な人生の時間を誰かにゆだねてしまってはもったいない。
水のエネルギーが悪化するとこだわりが執着になる
フローレンの今の大きな問題の一つが「親との関係性」だった。
高齢になった親御さんと同居し面倒をみているのだが、思った通りにならないとついつい腹を立ててしまい、あとあと罪悪感を感じて落ち込む、と言う悪循環になっているそう。
今、フローレンがやっていることは、自分が子どもとして親にされたことと同じだ。
自分の良かれと思う道を示し、その通りにやりなさいと、それが安全で正しいと導くことに夢中である。
でも、それは相手にとって幸せだろうか?
自分の経験を振り返れば分かるはず。
水のエネルギーには、安定、重いなどの性質がある。だから悪化すると、ネバネバべとべとした質感になっていく。
親だけではない。
何事も相手がいるのなら同じ。
相手の時間や人生は、その人のもの。あなたがコントロールしてはいけないと思う。
相手を信頼し、任せ、その人の時間や人生はその人が選び取れるようにしよう。そのほうが、相手も自分も楽になる。
なまじっか人の人生に干渉したら、依存されてしまうことも大いにある。
そうなって、何もかもを背負わされたら大変。
実際、フローレンのご両親は最近、怒られないようにと何でもやる前に許可を得ようとしてくるそうだ。
それはそれでめんどくさい!となるだろう。
「もう頼ってこないで!」と思うかもしれないが、そもそも相手の意志を奪い、依存させたのは他でもないあなた自身。
だから親や家族であっても、自分の人生以外に介入しないことは、両者にとって大切なことだと思う。
そのためには相手を信頼し、ちゃんと自分の人生を生きてもらうよう導き、見守る。あの人はできる!と信用することだ。
そして、自分の人生に集中しよう。
自分の幸せを全力で楽しもう。
フローレンの風のエネルギーはどこに?
今は、水のエネルギー一辺倒になっているフローレンのエネルギーバランスだが、前出のとおり、今はほとんど感じられない風のエネルギーが本来はもう少しあったように思う。
実際、フローレンは日本刺繍に出会った後、わーっと勢いで先生に弟子入りし、京都まで通って勉強を続けた。
そして、このコロナ禍の前は、あちこち旅歩く身軽さもあった。
おそらく「隠れ風」で、ちゃんとたまに顔を出している。
そういう自分の特性も意識して、体も心も停滞しないよう動かしていくことが、水のエネルギーの停滞性が行きすぎないようにしてくれるだろう。
コロナ自粛で持ち前の水のエネルギーが悪化しやすくなったんだろうし、これからの春の季節はそもそも水が悪化する季節でもあるので、フローレンと似たタイプ(水のエネルギーが多そう)の人は気をつけて欲しい。
何に気をつけるべきかは配信をチェック!
昨日のこちらの回でもお話ししたので、ぜひ見て欲しい。
こんな感じのアーユルヴェーディック・カウンセリングはこちら。
特性にあわせたパーソナル演出はこちら。