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煉獄さんは強いアグニを持つ男【アーユルヴェーダで人間分析】

先日、鬼滅の刃の映画版「無限列車」がテレビ放映された。
私は劇場へも3~4回見に行ったのだが、当然テレビでも見た。

何度見ても煉獄さんは尊い。

煉獄さんの精神力、揺るがない信念、圧倒的に辛い状況でも人を思いやれる強さ、本当に体も心も鍛え抜いた人間そのものだと思う。


一方で、アーユルヴェーダ的に分析すると、煉獄さんはまさに「アグニ」の人だなと感じた。

「アグニ」とは、アーユルヴェーダ的には「消化の火」のことだが、単純にアグニと言う言葉は「火」を意味する。

奇しくも、煉獄さんは炎柱。

キャラクター上も炎をあやつる剣士だが、実際にもアグニ(火)が強い人なのだ。

「アーユルヴェーダで人間分析」の番外編として、「煉獄さんとアグニ」と言うテーマで考察していきたい。

※「アーユルヴェーダ」とはインドの伝統医学であり、5000年前から続くと言われる世界最古の医学。今もインドやスリランカではアーユルヴェーダ病院や薬局があり、医師はアーユルヴェーダ大学を出た国家資格者。現地では西洋医療と一緒に肩を並べる医療である。


アーユルヴェーダで言う「アグニ」とは

アグニは、アーユルヴェーダでは「消化力」のことをさす。

消化と言うと、胃の中で食べ物が液状にされることを考える人も多いと思うが、アグニがさす範囲はそこだけではない。

消化作用によって液状になった栄養分から、体の組織がつくられることも「アグニ」の作用と考える。

つまり、「消化と代謝」においてアグニの力が使われるのだ。

それはモノを変換する力、AからBに変える力である。


また、言葉だけのアグニを考えると「火」と言う意味を持つ。
古代インドの神様にもアグニ神がいる。

このアグニ神は、まさに火の神様であり、神事において火にお供え物を投じたときに、これを燃やし神々に届けるのがアグニ神の役割とされている。

つまり、モノを燃焼し、変換するのがアグニ=火の力なのである。

炎柱である煉獄さんは、まさにアグニ神のように思えるではないか。


タイプ的にも火のエネルギーが多い

アーユルヴェーダには個性や性格を生まれ持ったエネルギーのバランスで分析する方法があるのだが、煉獄さんはそれで見ても「火のエネルギー」が多いタイプである。

思いつく行動と私の中で響いたセリフを並べてみた。

●自分の信念を貫き通す
●責任感が強い
「俺は俺の責務を全うする。ここにいる者は誰も死なせない」

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『鬼滅の刃』(C)吾峠呼世晴/集英社

●冷静な判断力、集中力
 ※父に柱になったことを報告後、弟にどうだった聞かれた時
  →弟を思い、事実を話しながらも自分の思いを伝える

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『鬼滅の刃』(C)吾峠呼世晴/集英社

●合理的に物事を分析する
 ※列車で目覚めたあとの炭次郎たちへの指示
 ※炭二郎と禰津子が柱合会議にかけられたとき「裁判など不要」

●自分の意見をはっきりまとめて伝えられる
 ※最後の炭次郎へのメッセージ

●言葉に無駄がなく正確
「俺は君が嫌いだ」「鬼にはならない」

こうした言葉や行動から見て取れる性質は、火のエネルギーが多い人のタイプと言える。

火のエネルギーの人は、負けず嫌いで勝負ごとに勝ちたい、そのためにはストイックな鍛錬もでき、勝つためには何でもする、そういうタイプ。

頭の回転も良く、知性的で合理的で冷静に見えて、中では闘志が燃えている。


この火のエネルギーは、アグニ(火)と当然関係が深い。
火のエネルギーが多いタイプは、元々アグニも強いのだ。

だが、アグニも火のエネルギーも大きければ良いというものではない。行きすぎたら、それは悪影響がある。

しかし、そこは柱。

しっかりと鍛錬を積んでいるため、自己の肉体も精神もバランスがとれており、火の増悪による悪影響は見られない。

煉獄さんは、もともとデフォルトの火のエネルギー量が多く、アグニも相当強いと思われる。

そう、煉獄さんの行動にはアグニがしっかりしてるんだな、と感じさせる部分が多々あるのだ。


食欲旺盛であること

まずは、煉獄さんが無限列車の中で弁当を大量に食べていたことを思い出してほしい。

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『鬼滅の刃』(C)吾峠呼世晴/集英社

うまい!うまい!と言いながら、弁当を食べ続け、大量の空箱が並んでいる様子が描かれている。

この食欲旺盛さ、
大量に食べても消化できる消化力の強さ、
アグニが強いことを指示しているではないか。


実は、人間の体の中には13種類のアグニがある。

その中で「ジャータラ・アグニ」という食物を消化する胃や十二指腸にあるアグニが、最も大きく重要とされる。

このジャータラ・アグニがしっかりと健全であれば、他の12のアグニにも良い影響が与えられると言う仕組み。

このジャータラ・アグニが正常だと、食欲があり、食べ物の消化が正常に行われる。

煉獄さんのジャータラ・アグニはどれほどのパワーがあるのかと考えてしまう。


聡明で判断力にも優れている

煉獄さんは、いつでも火の人の強い信念は持ちながらも、冷静、端的、いつも為すべきことを過不足なく行う。

これは、その時に何をすべきか、何を選ぶべきか、一切の感情や欲をいれずに判断できる力があるということだ。

これこそが、火の人の知性である。
そこにはアグニが関わっているのだ。

アグニは「火」を意味するのだが、これは「光」「光明」と言う意味でもある。

アーユルヴェーダでは、無知は暗闇、知性は光、と言う。

暗闇は、自分が何者なのかも行く先も見えない。
それは無知である。

その暗闇を照らし、物事を浮かび上がらせ見せてくれるのが「光」であり、アグニであり、知性なのだ。

つまり、アグニがちゃんと働いているということは、知性が良く働く、と言うこと。

アグニが不全であれば、光が弱く、正しい判断ができない。


また「消化」と言う言葉には、食べ物だけでなく「感情を消化する」と言うことも含まれる。

これは、肉体の消化しきれなかった未消化物を「アーマ」と言うが、心の未消化物は「メンタル・アーマ」などとも言われる。

このメンタル・アーマを消化するのに、このアグニが大切。

と言っても、食べ物を消化するというような作用ではなく、
この場合は、アグニの「光」=知性が大事なのである。

怒りや悲しみ、あるいは不安や焦りなどに飲み込まれないためには知性が必要だ。

自分の感情をコントロールする思考を持つこと。それには知性を正しく使い、物事を事実としてとらえ、感情に飲み込まれないことである。


煉獄さんは、努力をして柱になって父親に報告に行ったときのシーンを思い出してほしい。

煉獄さんの父は、柱になった報告に対し「どうでもいい」と言った。

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『鬼滅の刃』(C)吾峠呼世晴/集英社

自分自身が親にほめられたくてほめられない悲しみを感じて生きてきた私は、あのシーンにものすごく胸が締め付けられた。

親にそんなことを言われたら悲しみはもちろん、いらだち、怒りもわいてきてもおかしくない。

だが、煉獄さんは悲しみを感じながらも、すぐさま消化し、弱い弟の気持ちを守るために父を悪く言うこともなく、弟を「どんな道を歩んでもいいんだ」と励ます。

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『鬼滅の刃』(C)吾峠呼世晴/集英社

この言葉からは、ただ強がって虚勢を張っているのではないことが分かる。

母を亡くし、唯一の父親にはかまってもらえず寂しい思いをしているのは兄も弟も一緒だと、その虚しさを受け入れつつ、それでも心に情熱を持ちがんばろう、と言うのである。

現状を正しく理解し、受け入れたうえで、自分が為すべき行動を理解して他者をも動かす。

この知性、理性、本当に素晴らしい。

まさにアグニが良く働き、知性や理性が光り輝くひとだからこそ、人を光で導いていくことができる。

煉獄さんは母親に言われたとおり、自分の優れた能力を弱い人たちを守るために使っているのである。

また最初に、「アグニは変換する力」とも説明したが、これは感情を消化し変換していったともとらえられる。

心にとっても、アグニの働きが大切であることが分かってもらえるだろう。


あなたのアグニはどうだろう?

アーユルヴェーダでは、このアグニがしっかり働くことで、病気の元となる「アーマ(未消化物)」ができない、発生したとしても燃焼されると考える。

ざっくり言えば、病気にならないということだ。

さらに、知性が良く働き、感情に振り回されずに正しい判断ができる。

アグニは、生きていくうえで非常に大切にするべき機能なのだ。

下記のチェックで、自分のアグニが正常かどうか見て欲しい。


【アグニが異常の場合に感じる症状】

・胸やけ
・胃酸過多(すっぱいものがこみあげる)
・食事の時に空腹になっていない
・便秘や下痢になる
・食後に胃や体が重い
・食欲がない(食べる気がしない)

もし、こういった症状があれば、あなたのアグニは弱っている。
なんなら、アーマもたまっているかも知れない。
早めにアグニ、つまり消化の火を立て直す必要があるのだ。


アグニ=消化の火を立て直す

では、アーユルヴェーダ的アグニの立て直し方をいくつか紹介する。

①食前にしょうが+岩塩+レモン汁を食べる

しょうがを薄切りにし(親指大ぐらいの面積)、岩塩をかけ、あればレモン汁もかけて、食前の10~20分まえによく噛んで食べる。

これによって、唾液や消化酵素が出て、食欲がわく。
それはつまり、消化がうまくいく。

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②白湯を寝る直前に飲む

白湯は、もともと体の中の循環を調えるもので、その熱と流動性でさまざまな良い効果をもたらすものとして知られている。

食前や食中に、水分として白湯を飲むことは勧められる。
食前に飲めば、熱い白湯が消化の火をあおって消化促進になるし、食中は胃の中に適度な液体があることで消化はよりスムーズになる。

だが、大量に飲むのは良くない。
これは白湯に限らず、液体はどれでも。
胃の中に液体が多すぎたら、火に水をかけるようなもの。消化の火が小さくなってしまう。

なので、白湯は80度以上のものを、アツアツフーフーしながら少量ずつ飲むのが良いとされている。

どれぐらい飲めば適量かは、「食後、喉が渇いていないかどうか」。

喉が渇いていたら、もう少し飲んだらいいし、乾いていなければ飲まなくて良い。

こうやって自分自身の体の反応を見ながら食べたり飲んだりするのが、アーユルヴェーダなのである。


また、アーユルヴェーダ研究所の「白湯の処方箋」と言う冊子のなかで、アーマ(未消化物)がたまっているときに出る症状が一番軽減した白湯の飲み方が、

「寝る直線に飲む」

だった。(アンケート結果による)

布団に足を突っ込んだような状態で、アツアツの白湯をフーフーしながら飲むと(自分の適量)翌朝の体の調子が上がる人が多かった。

これは、アーマと言う未消化物は寝ている間に定着するので、寝る前に体を温め、アグニをあげておくとアーマの定着を防ぐからでは…と推察されている。


③消化力をあげるスパイスミックスを摂取

アーユルヴェーダでは、アグニを上げる薬剤として知られるスパイスミックスがいくつかある。

一番有名なのが、トリカトゥ。
トリは「3」、カトゥは「辛」を意味し、3つの香辛料で出来たもの。

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もう一つは、ヒングアシュタカチュルナ。

ヒングと言う、インド独特のニンニクや玉ねぎのような臭いがするスパイスを含む7種のスパイスと岩塩のミックスである。

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こうした消化促進剤を、常温の水やぬるま湯で小さじ4分の1~半分程度を朝、食前に飲んだりする。

また、食前に食欲がわかない時や、ちょっと食べすぎてしまった…と思った時に、後から飲んだりもする。

また、料理や食べ物にちょっとプラスする調味料としても使用可能。

基本的に食品なので、多すぎない程度に自由に取り入れて良いと思う。


そして、ここからは完全に宣伝になるけれど、
これらのスパイスミックスはこちらから買えます!!笑

トリカトゥ


私はアーユルヴェーダ活動家として、この春からアーユルヴェーディックなお菓子作りを始めており、そのなかで、このスパイスを使ったスパイスナッツを開発しました!

アグニを上げるスパイスを使ってるから、 #アグニスパイスナッツ

食べながらアグニを上げてくれる、体にうれしいスナックです!

ぜひ試していただきたい。

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心を燃やせ!アグニを燃やせ!

煉獄さんの「心を燃やせ!」と言うセリフが本当に好きなのだが、
これはこうして考えると「アグニを燃やせ!」と言っても過言ではない。

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心を燃やす=やる気を出す、情熱を持つには、アグニがしっかりとしていることが前提だからだ。

あなたのやる気が出ないことや、メンタルが弱いことは、もしかするとアグニのせいかも知れない。

とりあえず、アグニを燃やすところから始めてみてはどうだろうか。

アグニを上げるスパイスナッツを食べることから始めてみてはどうだろうか。

(いい話が台無しの告知〆)



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