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都立・神奈川県立入試/数学(2024)を概観して
コロナ禍など気にすることもなく、この2年間なぜか“上振れ”した内容で実施されてきた
【神奈川県立入試/数学】
でしたが、2024年の入試問題は
「ほぼ従来通りのレベル」
に戻ってきた感があります。
依然として
「しっかり考えさせる内容」
ではあるものの、幅広い受験生達が立ち向かえるレベルであったと思います。
今年の受験生は、ほぼ通常通りの状況で中3課程を学んできたこともあり、
「平均点も60点くらいまでアップするのでは…」
と予想していましたが、若干上昇したものの、
「55.6点」
にとどまりました。
一方
【(一般)都立入試/数学】
では、ずっと易化が続いており、神奈川県立との内容的なレベル差がかなり目立っていました。
「なぜだろう…?」
と、このところの一般都立入試の平均点を調べてみると、
「あのレベルの問題でこの点数?」
という状況が続いており、問題作成サイドとしても
「易化を続けるしかない…」
という状況だったと想像されます。
「コロナ禍での難化傾向の入試問題」
を
“乗り切ってきた神奈川県の受験生”
に比して、
「易化を続けた入試問題」
に対しても
“結果を残すことができなかった都内の受験生”
は、全体としてみると
“コロナ禍の影響をかなり受けている可能性が高い”
と判断せざるを得ないでしょう。
おそらく、
「塾や家庭教師などから指導を受けてきた」
ような場合は何とかリカバーできたとしても、その他の多くの生徒たちが、
「ずっと家庭で独自勉強をせざるを得なかった…」
状況におかれ、それによる学力低下が思いのほか激しかったのではないでしょうか。
進学指導重点校などを受験する、いわゆる
“成績上位グループの生徒たち”
は、各校が作成した独自問題で受験することになるため、一般入試の平均点換算からは除外されます。
そのため、それ以外の
「都内の多くの受験生たち」
が対峙する都立一般入試では、
「内容的には易化しているのに平均点が低い…」
という状況が続いていたのだと想像します。
逆に言えば、
「国際・駒場・小山台・町田など」
の一般問題で入試を実施する学校の場合は、
「数学では(皆高得点で)差がつかない」
状況が続いていたのではないでしょうか。
神奈川県立の一週間後に実施された今年の都立入試のレベルも、案の定
“さらに易化”
したものとなっており、
「このレベルで本当に大丈夫なの…?」
と心配してしまうくらいですが、前年までの結果を踏まえれば、問題作成サイドとしてはやむを得ない状況だったのでしょう。
しかし都内の受験生も、今年度はほぼ通常通りの状況で少なくとも中3課程を学んできたこともあり、
「今年こそは平均点が何とか回復してくるのでは…」
と予想していましたが、さすがに
「61.7点」
と60点台に戻してきました。
「コロナ禍に伴うこどもの学力低下への影響」
は思いのほか大きいと考えざるを得ないことがわかってきたので、指導する側としては改めて
「慎重に接する必要性」
を感じた次第です。
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