「2024都立日比谷/数学」入試問題概観
都立の進学指導重点校は7校ありますが、代表して
「都立日比谷」
の数学の入試問題について、
「2025年の都立受験生」
に向けて概観を記しておきます。
(※問題はネット等から参照してください。)
コロナ禍の状況では、一般入試と歩調を合わせるように、
「疑問を感じるくらいの易化」
が続いていましたが、昨年あたりからようやく本格的に回帰傾向にあり、2024年の内容は、
「新型コロナ禍以前の従来レベル」
に比して、ほぼ違和感を感じないものでした(1問は難問があってもいいとは思いますが…)。
「コロナ禍から続いた“易化傾向”からの脱却」
を明確に意図していることが読み取れ、
「制限時間との闘いの中で何とか解ききれるであろう設問」
を揃えながらも、
“難しすぎる設問は避けた”
内容だったと思います。
例えば、「【3】の最後の設問」。
慣れていないと時間がかかってしまう可能性はあるものの、この学校の受験生であれば、このような条件設定の問題は何度も練習してきたはずです。
「相似」
だけで押し切れないならば
「三平方」
へ持っていくのは定石ですし、ましてや
“特別角”
が出てきているので、大方の受験生は対応できたはずです。
そして最後の大問【4】。
条件設定に
“回転”
を含めることが、どうやら定着してきたようですね。
設定によってはかなり複雑にもなり得る
“三次元の回転”
ではありますが、今回の内容も平易なものにとどめていました。
但し、
「問題文をサラッと読んだだけ」
で臨んでしまうと、
「問題文がおかしいんじゃないの?」
と勘違いした受験生もいたかもしれませんが、そのままでも1問を除いては解ききれてしまったことでしょう。
つまり、
「正方形を一回転させる」
と早とちりしてしまうと、
「最終的な影の形の設問には正しく答えられない」
ものの、問題文の内容に釈然としないまま他の設問には正しく答えられたことでしょう。
問題作成サイドもその辺を危惧したのか、
「(優しいことに)助け船を出すような設問」
もわざわざ設けている訳で、その段階で修正できなかったのであれば、受験生の方に非があると言わざるを得ませんね。