3自分は何者でありたいのか

自分の言葉を自分のために使う_1

みなさん、はじめまして。ライターの三本と申します。

昨年末、ご縁があって松本真紀子さんのインタビューをさせていただきました。その取材では、松本さんの幼少時代から、「危機予見感覚ならびに対応能力向上コーチ」として独り立ちされる直前までのお話を伺いました。

さらに、私自身も松本さんのセッションを半年で3回ほど体験してきました。

その体験は、私にとってどこか雲をつかむような、それでいて自身の中で、そして私の周りの世界で、何かが確実に変わっていくという、摩訶不思議なものとなりました。

松本さんのセッションの主軸となっている「自分の言葉を自分のために使う」とはどういうことなのか。

なぜ、私の世界は変化したのか。

インタビュー取材で伺ったこと、セッション体験を通して「自分がみた自分」を綴ることで、その糸口を見つけられれば、そして、それを皆様と共有させていただくことで、松本さんが活動の目的としてもっておられる「自分への理解を生きる力とすることで、自分であることを誇りに思い生きる人が増え、生きやすさを覚える方が増え、それが世界の生きやすさを高める」ことができるかもしれない。スタートとして、あなたがあなた自身への興味関心を高めてくれる。そんなきっかけとなれるなら幸いと思い、届けます。

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Vol.1  新大阪にほど近いカフェの一室で

―自分の言葉を自分のために使う―とはどういうことだろう?

私の己自身に向かう旅はこうしてはじまりました。

松本さんと出会ったのは、2018年の暮れのこと。ライターとして取材の申し込みをしたのがきっかけでした。

その取材とは、松本さんのこれまでの人生を振り返って話をしていただく内容。

かなりプライベートな事柄を初対面の私にどこまでお話しくださるだろうかと、少し緊張しながら新幹線に乗車したことを覚えています。

指定されたのは、新大阪から地下鉄でひと駅。

駅前にあるカフェでした。

便利な立地にあるのに、とても静かで落ち着いた空間。しかもカフェ内にある個室を設えてくださるという気の遣いよう。

「きっととても良い時間になるに違いない」

そんな確信と共に、私は松本さんの世界へと足を踏み入れたのです。

約3時間に及んだインタビューでは、CLSTのこと、なぜ今の仕事をしているのか、そしてご自身のこれまでの人生の歩みについて。

子ども時代にまで遡りながら、とても数多くのことを、包み隠さずお話くださいました。

そうした物語を全身で ―はい、まさに全身全霊で― 受け止めたときに私の脳裏に浮かんだことは

私も同じように自分の物語を自分の言葉で語ってみたい

ということ。

そして、私はどういう「言葉」を自分のために使うのだろうか

という好奇心でした。

その場で次回のセッションのお約束をとりつけ、ひとまず帰京。


最初の出会いから1カ月後、私自身のセッションを受けるために、再び新幹線に乗りました。

道中、何を話そう…と考えるものの、特にこれといった「悩み」は浮かんではきません。

もしかしたら、松本さんの貴重な時間を無駄遣いしてしまうかもしれない…

そんな心配を抱きながら西へ向かいました。


約束の場所は前回と同じカフェ。

到着し、あの個室に入り、松本さんを目の前にしたとき、なぜかとても懐かしく、フっと肩の力が抜けた感覚がありました。

1度しかあったことのない方。しかも、仕事柄多くの人の話を伺う経験をしてきたものの、自分の話を他人にするのははじめてです。

そんな心配をよそに、次第に自分では思いもよらなかった言葉たちが、次々と口をついて出てきたのです。

私はこんなにペラペラと自分語りができるのかと、まずは驚きがありました。

そして、一つの話が終わるたびに、必ず松本さんは「(話してくれて)ありがとうございます」とお礼を言ってくださいました。

それが、私を勇気づけてもっともっと語りたいという気持ちを湧かせたのでした。

この日、お話したことは仕事の話だったと思います。

クライアントとの関係、現在のプロジェクトの進捗…

ずっと心の中でひっかかりとなっていたことを「言葉」として表現していきました。

そうすることで、「ひっかかっていたのだ」ということに気づけたのです。


―自分の言葉を自分のために使う―


その入口に私が立てた瞬間でした。

次回へつづく。


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松本コミュニケーション研究所
松本コミュニケーション研究所は、人との対話を通じて自分の言葉を聴き、自分への理解を深めることで、目をつむりがちな日常にひそむリスクにいち早く気がつき、ひとつでも多くのリスクを回避いただけることを目的に活動をしています。いただいたサポートは、目いっぱい大事に活かします!