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映画「怪物」を観て。

映画館に行かなくなって久しい。

20代前半は映画鑑賞も趣味の一つと言えるほどで、地元の商店街にあるミニシアターにマイナーな映画を一人で観に行くこともあったのに。

コロナ禍で劇場から足が遠のき、映画鑑賞料金が値上げした最近は「もう映画館にお世話になることもないかもな…」と思ったりしていた。

なにせ映画館に行かずとも「観たい!」「観なきゃ!」と思うコンテンツが溜まっていく一方なので。

でも荒木博行さんがVoicy(book cafe)で語った感想を聞いて、『怪物』は今すぐ観たい!今すぐ観なきゃ!と搔き立てられた。

エンタメ情報に疎いので、荒木さんのVoicyを聞くまでは「怪物…?あ~なんか聞いたことあるかも。どっかでポスター見たかも」レベルだったのに。

「学びの裾野を広げること」を会社のミッションに掲げる荒木さんの『怪物』という作品に対する見解は、そりゃもう知的好奇心をくすぐることこの上ない。

私達は他人を見る時に、いくつかの事象から点をベースに立体を作っていく。
平面を作り、三次元にしていく。
これが人間の認知であり、そして限界でもある。

“伝聞から怪物を作り上げてしまっている、
怪物を作り上げる能力を持っている私自身が怪物である”

私達は解釈してしまう生き物。

映画『怪物』坂本裕二 脚本/是枝裕和 監督 | 荒木博行「荒木博行のbook cafe」/ Voicy - 音声プラットフォーム

これはほんの一部を抜粋しただけで、ここだけ見てもきっと理解不能だと思うので、是非荒木さんのVoicyを聞いていただきたい。

作品を観ずともそれだけでも充分楽しめるし考えさせられる。

私は更に、
ガツンと一発頭を殴られたいな。
固定観念をぶち壊してもらいたいな。
と思って今日観に行ってきました。

でも私は生憎、『怪物』を鑑賞した後の感情を表現する言葉を持ち合わせていない。

というか、この作品を消化しきれていない、という方が正しいかも。

残念ながら鑑賞当日にYouTubeで予告を観て、その予告動画のコメント欄最上部にあった本筋のネタバレを見てしまったものの(超絶ガッカリ案件)、それでも物語の展開は予測不可能だった。

それだけでも充分楽しめた。

ただ、後半部分がとても美しくて、でもどこか哀しくて、終わってからよくわからない感情の涙が止まらず。

まぁこれに関しては、自分の今の精神状態が影響しているのかもしれないけど。苦笑

あと、単純に何も気にせず泥んこになって遊びまわれる子ども時代に戻りたくなった。

荒木さんも語っていた本題ではない部分について語ると、私達に見えているこの世界は、それぞれの立場から見聞きした物事の点と点を繋げて、それぞれが勝手に作り上げたイメージや物語の交差で成り立っているんだな、と。

その怖さと危うさをひしひしと感じつつも、作品を鑑賞中の自分自身もパズルのピースを集めるように推測を走らせていた(そして外れた 笑)。

日々「初めまして」の人達から人生の話を聞いて伴走するという仕事柄、できるだけ固定観念を持たずに目の前の人に向き合いたいと思うけども難しく、だからこの作品に一発殴られて真っ新になれたら…と大きすぎる期待を抱いて鑑賞した。

正直それほどの衝撃は得られなかったけど、最近どこかで聞いた「正義の反対は悪じゃなくて、また別の正義」っていうのと似てるかもな、と思った。

「人は見たいようにしか見ない」

そんなことを考えてたら、BLACKPINKのYou Never Knowが頭に流れて止まらなくなった。

But you'll never know unless you walk in my shoes
You'll never know 엉켜버린 내 끈
'Cause everybody sees what they wanna see
It's easier to judge me than to believe
깊이 숨겼던 낡은 생각들
가끔 나를 잡고 괴롭히지만
그럴수록 I'ma shine, baby
You know they ain't got a shot on me

BLACKPINK – You Never Know Lyrics | Genius Lyrics

さて、私の小さい脳みそでは『怪物』を理解・消化しきれなかったので、ネットに溢れる考察を覗きに行ってきます。笑

いつからか、自分の感情や考えを言語化する前に、そのコンテンツのコメント欄やネット上に落ちてる共感・同意できる「誰かの言葉」を拾って、無意識のうちに自分のもののように取り込むようになってしまってたから、今回は完全オリジナルなまま残したかった。

でも語彙力・表現力・理解力どれも足りなすぎた…。笑

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