DXというのは和製英語か。
略号としてDXと書いて「デジタル・トランスフォーメーション」と読むのだろうか。それとも「ディーエックス」と読むのだろうか。
「カローラDX」なら覚えている。
「DX」というのは誰の造語かと思って調べてみた。
ウィキペディアの英語版を見ると、Digital transformationの記事にDXという言葉はまったく出てこない。
日本の経済産業省が日本語破壊の「犯人」らしい。英語の言葉遊びに付き合うよりも、わかりやすく日本語で表記すべきなのではないか。
英語で「ディーエックス」という言葉が一般的に使われているわけではないので、「和製英語」とみなしてよいだろう。
適当な日本語がなければ、片仮名で「デジタル・トランスフォーメーション」と書く方が「ディーエックス」よりも理解されやすい。
技術の進歩がもたらすリスクについて楽観的すぎるノーテンキ(能天気)な発想。
約260億円をかけて全世帯に2枚の小さなガーゼマスクを配布したアベノマスク事業の背景にあった事情とも何らかの通底するものがあるのだろう。
DXという言葉は、コンサルティング会社には便利なものであるかもしれない。意味不明の、商品コードの最初のアルファベットのようなこの言葉を「地方創生」と結びつけて新しい時代を「官民連携」で演出しようとしている。
『DXと地方創生』 :
「2030年を見据えたイノベーションと未来を考える会――イノベーション・ エグゼクティブ・ボード(IEB)」の公表文書。
「コアメンバー」として、サントリー、ユニ・チャーム、リクルート、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの社長等が、アクセンチュアというコンサルティング会社の役員以外に入っている。
「有識者」として、内閣府地方創生推進事務局長内閣審議官、KDDI社長、ヤマトホールディングス会長などが、コンサルティング会社内部の関係者以外で入っている。
構想の内容は、「官民連携」という趣旨のようだが、「民」の方は企業だけで、住民は消費者としてしかとらえられていないような印象である。「労働者」という視点もないようだ。
「未来」について論じられているが、「民主主義」や「公正」、「平等」ということについての考察は何もないようだ。