【行動経済学/MBA】① システム1/システム2
こんにちは、白山鳩です! クルッポゥ!
マガジン『能ある鳩はMBA② ビジネススキルで豆鉄砲』での、ビジネススキルにまつわる情報の紹介です。
前回の記事はこちらです。↓↓↓
今回の記事からは、行動経済学に関する知識について見ていきます。
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システム1とシステム2
さて、いきなり「システム1」「システム2」などと、
「ハイテクだかローテクだかわからない語感の単語」
を出してしまってすみません。
しかし、なんとこれは行動経済学の用語なのです!
人間の思考は、
「直観」のシステム1と、
「理性」のシステム2に分かれる
……というのは、行動経済学の根幹をなす重要な概念なのです。
システム1・システム2含め、行動経済学の考えは、
2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カールマンの名著
『ファスト&スロー』
に詳しいです。
なお、『ファスト&スロー』というタイトルについては、
・ファスト=すばやく起動する思考=システム1
・スロー=ゆっくり起動する思考=システム2
を指しています。
システム1
システム1とはすなわち直感。
あるものを見たり感じたりしたとき、
人間の中でただちに発生する「ファスト」な機能です。
みなさんも、
「背中から鎖鎌が飛んできているな」
と感じたら考える間もなくただちにかがむと思いますが、
それと同じ直観にまつわる機能ですね。
なお、このシステム1は、
ときに錯覚を引き起こしてしまう困ったちゃんでもあります。
システム2
システム2とはすなわち思考。
何かを考えて結論を導くという過程を必要とする「スロー」な機能です。
頭を使うのって疲れますよね。
そういうわけで、システム1とは違い、
システム2を使うのには注意力を要します。
とはいえ、このシステム2が弱いと、
考えなしに思いついた言動をしてしまいます。
基本的に人間はシステム1の奴隷です。
それでもある程度の知識があれば、
システム2を起動させることで、
システム1の思い込みに対抗することもできます。
システム1を制するはシステム2?
とはいえ、頭で(=システム2で)わかっていても、
自分の感覚に(=システム1に)抗うのは難しいものです。
ましてそれが、他人となればなおさらでしょう。
言い争いや議論になると、
「私が正しくてあなたが間違っている」
と攻撃材料を探してしまうのが人間のシステム1なのです。
事実に裏付けられた論理的な主張(≒システム2)は、
話している本人や第三者には説得力があるように感じられますが、
相手を論破したところで、目の前の人間に対しては、
かえって逆効果に働く(≒システム1)こともあります。
正論だけで他人の意見を変えることはなかなかできないのです。
ダイヤモンドのように固い頭の人間に、
コンサルが優雅なプレゼンテーションをしたところで、
返り討ちを食らうだろうというのは想像がつくかと思います。
「激流を制するは静水」とはなかなかいかないものです。
重要なのは、自分の顧客に合わせてアプローチの方法を変化させること。
「本当はこれが顧客のためになるんだ!」
というシステム2から導かれた考えが、
必ずしも顧客満足(システム1)になるとは限りません。
人間とは非合理なものです。
しかし、非合理的であるからといって顧客を切り捨ててはいけません。
いろいろな方法で顧客にアプローチすることが重要です。
たとえば相手が大切だと思うものについて共感・賞賛したり。
日常的な会話をするところから始めて、相手の信頼を得たり
そうやって、相手のシステム1へいかに寄り添うかが重要、というわけですね。
まとめ
さて、ここまでの内容を振り返りましょう。
【システム1とシステム2】
人間の思考は、
すばやく起動する「直観」のシステム1と、
起動に時間のかかる「理性」のシステム2に分かれる
【システム1とはすなわち直感】
・すばやく起動するので、直観的に行動には役立つ
・ときに錯覚を引き起こしてしまう困ったちゃんでもある
【システム2とはすなわち思考】
・何かを考えて結論を導くという過程を必要とする「スロー」な機能
・システム2を使うのには注意力を要します。
・システム2が弱いと、考えなしに思いついた言動をしてしまう
【システム1を制するはシステム2?】
・頭で(=システム2で)わかっていても、
自分の感覚に(=システム1に)抗うのは難しい
・論理的なシステム2から導かれた考えが、
必ずしも顧客満足(システム1)になるとは限らない
←人間とは非合理
以上、行動経済学におけるシステム1とシステム2にまつわる導入のお話でした。
次回の記事では、行動経済学における「ヒューリスティクス」という概念について触れていきます。
お楽しみに。
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