損害保険会社「保険金支払(損サ)の闇と光」
はじめに
2023年は
損害保険会社がいろいろと世間をお騒がせしました。
2024年1月、週刊 東洋経済 2024 1/27【特大号】で
ビッグモーターとカルテルの真相
『損害保険の闇』
が発売されてしまう始末。
ところで、今の世の中(マスメディア)は、なんでもかんでも
一方向から切り取って、煽って、
「分断」をさせがちであると私は思っています。
そして、損害保険の「闇」があるのなら、
「光」についてもちゃんと取り上げようよ
誰も取り上げないのなら、私が勝手に取り上げちゃうよ
と思うにいたり、今回のnote執筆に至りました。
損害保険会社の光と闇をテーマに書き始めるわけですが、
損害保険会社は、「えんぴつからロケットまで」
という言葉で表されるようにいろいろ~なビジネスをやっていて、
スコープを絞り込まないと、大変薄口の話になってしまいます。
よって、損害保険会社の「保険金支払(損害サービス部門_通称損サ)」に絞ることにします。
前置きが長くなりましたが、はじまりはじまり。
損サ部門の将来性
闇
・業務が誰でもできるレベルまでプロセスが汎用化され、定型化(ルーティンワーク化)しており、テクノジーにより人を代替されやすい
→予算、人員削減要因
・主力である自動車保険において、自動車保有台数の減少、自動車衝突防止性能向上で事故が減少していく
→予算、人員削減要因
光
・お客様に保険金という名の安全を届けるという損害保険会社のコア業務。→このお客様接点(人間力)を評価し、求める顧客ニーズは今後も残存する(はず)。
→お客さまが保険商品の価値を感じられるのは「事故が発生したとき」。目に見えない、形のない商品だからこそ、いざという時の損害サービス担当者の人間力が最も試される。すべてがAI等のテクノロジーに代替されるとは考えにくい。
・参入障壁がある
→非弁行為(弁護士法72条違反)を回避しつつ示談代行サービスを的確に行う、アジャスター(損害査定業務を専門とする損保の社員)の助けも借りつつ、って新規参入者には難しいと思われる。
・どんな職種・職場でも通用する汎用スキルが身につく
→具体的には①示談交渉力②法律、約款等の固い文書読解力③電話マナー④電話(音声だけ)で仲良くなる力⑤傾聴力⑥不条理に我慢する力⑦算数(免責あり相殺払い)⑧PCスキル⑨苦情耐性(鬼メンタル)…
※賛否両論あります
損サに限った話ではないですが、AI等のテクノロジーの進歩により、人間がやっている定型業務が今後、AI等に置き換わっていくと考えますが、結果としてお客様提供価値が向上していくのは喜ばしいことですね。
損サ社員の将来性
闇
・市場価値ある技術資産(専門性)が弱い
→汎用スキルに+αで専門性を身に着けることが課題のようです
・市場価値ある人的資産(人脈)が弱い
→以下の仕事相関図をみて転職や起業時に活用できるものがあるか?
光
・リスクマネージャーから「保険プログラムにおいて損サの役割は極めて重要」と評価あり。
https://x.com/KeiMasuyama/status/1753970821939540096?s=20
・カスタマーサクセスマネージャーへの転身ルートがある
https://x.com/70kosa/status/1756159824566612462?s=20
まとめ:損害サービスの未来
アクサダイレクトによると、以下のように未来を描いています。
同意するところであり、今後間違いなく、損サがお客様に対して提供していく価値(CX)は向上していくのだろうなと思います。
そして、お客さまにとってカスタマイズ、パーソナライズ、リアルタイム、デジタライズされた情報とサービスを、損害サービスという観点からお客さまに「安心」という形で提供することにシフトしていくことが求められるというのはすべての損害保険会社にとって同様なのではないかと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。