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食べることは、生きること
食べることは、生きること。
食べること、は当たり前すぎる。だけど
毎日食事ができること
噛んで飲みこむ、消化する、栄養をとりこむ、排泄する、それを全部できる肉体の機能って
本当に凄い。
食べることは、五感を使います。
見た目、匂い、噛む音、自分で食べるという触感、そして味覚。
自分の体と向き合うことだし
毎日の体調を知るバロメーターでもあります。
食べることは命を頂くこと。
感謝や喜びじゃなきゃ、差し出された命に失礼。
肉や魚だって命を食べているのだから。
そして食べることは当たり前ではない。
嚥下(飲み込む)胃の中で消化する、腸に流す、栄養を取り込み、不要なものは排泄する。
こんな肉体の神秘に気づいたのは12年前。
父が突然、脳梗塞で倒れたんです。
緊急治療室に運ばれて、このままだと呼吸ができなくなるから医師に早急に軌道確保の手術を勧められた。
その後、管に繋がれて生きてはいたけど、喋ることも呼吸さえもできずに、細いチューブが彼の命綱だった。それで生きている、とはあまりにも残酷すぎる姿だった。
脳梗塞は早く気づけば麻痺の差はあれど、また元の生活には戻れるというし、そんな人を知っている。だけど、父は全ての自由がない状態でした。
お腹に開けた管から液体の栄養素を流し込む。
脳梗塞で嚥下機能が麻痺すると、食べ物をうまく飲み込めなくなるから、胃に管を通して直接食事を流すんです。
呼吸や食べること、排泄すること、喋ること、
生きていく事がこんなにも大変で
こんな姿は家族も望んでいなかった。
何も言えない父は、時に感情を荒げることもありましたね。
食べる事が生き甲斐だった父には
辛かったに違いない。
そのまま、呼吸確保なんかしないで死んでしまったほうが楽だったろう。
健康長寿と寿命が長い、は違うことを知りました。
日本は長寿国と言われたとしても、管に繋がれて寝たきりの介護になってもそれでも生きている人が多い。
医療を介さずには生きられない。
それに比べてアフリカで寝たきりの老人はいないという。
みんな、病気になって身体が弱って死ぬと思っているけど、それは違うと。
いつものように元気で、また明日!といって
寝たように死ぬのが普通だと聞きました。
食べることは生きること
を教えてくれたのは紛れもなく、わたしの父です。
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何を食べるか?より
誰と食べるか?
そして、どんな空間で、どんな気持ちで食べるか?
も大事だと思うのです。
消化を促す、のにはいくつかありますが
五感に心地よい雰囲気も食事の一部。
亡くなった父もきっと喜んでくれるでしょう。
いよいよ10月から始動します。
お読みくださりありがとうございます