無敗のウグイス嬢
本業ではありませんが、ウグイス嬢を時折頼まれます。基本的に知人からのお願いしか受けておりません。
市&区議会議員選挙、市長選挙、知事選、衆&参国会議員の経験があります。ラジオのパーソナリティ時代に頼まれてから何度かリアルな選挙戦の渦中にいました。
元々新聞社勤務時代から、地方統一選挙の入力担当だったりしたので、自問自答を繰り返しながらの経験です。ただ中にいることで見えることは多々あり、街中を見て、他の候補者を見て、時代の流れを感じたり、街の状況を知ることができます。
学校の前を通過しあぁーーこの区は自校給食なんだ。
For Rentalの表示が多いなぁ…。
朽ちている空き家がけっこうあるな。
ここは遅い時間に帰宅するサラリーマンが多い。
平屋の武家屋敷がある。元豪農なのかな?
ここは子育て世代が多い、学校多いな?
親水公園が多いな。蚊は多く発生しないんだろうか?
最近のウグイス嬢は意外と冷静に街を人をみながら活動しています。名前の連呼ばかりではありません。ママが前方にいたら、候補者が子育て世代であることを静かにお伝えします。おじいちゃんおばあちゃんがいたら、現在取り組んでいる高齢者対策をお伝えします。そして、手を振ってくれる方には文言を中断してもしっかりと目を見てお礼を言っています。特に背後から近づいて通り過ぎる場合は、顔を出してしっかりとうなづく方へもお礼を言います。
今回の候補は区議会議員のため、当選に多くの票が必要ではなく、街の人に近い地元密着タイプ。多くの票より確かな票が欲しいため、何度も地元を巡回しました。したがって、名前を言えば玄関へ出てきて手を振ってくれる人がいます。だから、大声での名前連呼はあまりいたしませんでした。ゆっくり名前を発音し、取り組むことを短く簡潔に。各種学校前、保育園のお昼寝中、入院患者様がいるような病院前では無音です。保育園のお昼寝以外はなぜやるかというと、子供たちが手を振りたくて近づいてくるので、お庭に面した道路では、声を出してあげた方が、ちびっこたちと盛り上がれるのです(笑)子供たちの下校時もそうです。高校前では名前の連呼をしてくれたのは学生たちで、これはフェスか?スポーツの試合か?というほどの熱狂エールに包まれました(笑)
多数批判の声があがる、名前の連呼が選挙戦を「勝ち抜く」という目的達成手段として、まったくの無意味だとは申しません。印象に残るという点において今も有効と判断している候補者は多いですし、どれほど真摯に区政のために働いていても、その成果をアピールしなければ、有権者にはわかりません。だから任期中の活動や活動報告が大事な訳ですが、選挙戦に入れば、そんな活動をしっかりと理解してもらえる時間もありません。今回も30パーセントほどが名前の連呼タイプでした。連呼タイプのほとんどが大きな大きな政党でした。こういうところはウグイスのプロや長年のウグイス経験がある妙齢の方がいるので、過去の栄光に縛られ、昔ながらのスタイルです。毎回ウグイスをされる方は、気持ちがいいからなんだと思います。思い切り声を出せて、手を振り返してくれる。日を重ねるごとに疲労も重なり、脳内麻薬が出るのか、ハイになってきます。候補者への感情移入もしてきます。
ただ、感情的になってしまうと伝わらないので、努めて冷静に、でも必死な気持ちは理解してもらえるように、心掛けました。今回から区議に関しても、政策方針をお伝えするチラシの配布が許可されました。手に取っていただけるよう、お時間のある時に読んでいただけるようお願いしました。みなさんわりと受け取ってくださいます。今までは声を張り上げるしかできなかったものが少しずつ変化しています。今さら紙の許可かよ!!と思いましたけど(笑)
SNSはどれほど有効か?というと、今回豊島区にyoutuberが出馬し、選挙カーを使わず、お金を使わず、ボランティアをツイッターで募集し、選挙活動をていると伺いました。この手法はyoutuberだからできること。議員さんがyoutubeチャンネルを開設して日々をオープンにする手法が広まるやもしれませんし、人気youtuberがいれば、配信により区のイベントや取り組みが世界へ発信できるやもしれません。そうなるとメリットは少なからずありそうな気がします。
選挙期間中にいきなりSNSを頑張っても無意味。日々の発信力が必要です。SNSで注目を集めている候補者が今回はおりました。ものすごいいいね!がつき拡散されていました。いいね!が有権者ではない可能性はありますが、その拡散力、注目度は票へと少なからず反映されると思います。気になったのは、有権者なのか、他の候補の方なのか、とても厳しい言葉を浴びせている人が複数いたことです。あびせられた側に同情が集まるので「邪魔」しようとしているのだとしたら、マイナスかなと思います。あと、区議会議員選で消費税反対をマニュフェストとして掲げるのはどれぐらい有効なのか??と疑問に思いました。政党サイドの方針で、政党からの選挙運動員による応援なのかなと思いますが。
選挙戦もそろそろ新しい時代に合った、新しいスタイルへ変わる時期なのだろうと思います。けれど、今のスタイルに固執するのは、こちらの方が好都合だという団体や政党が大きな力を持っているということの裏返しかなと思います。選挙が組織票に左右される状況である限り、きっとある程度はこのままのスタイルでゆるやかに移行していくのだろうなと思います。
最後に、ウグイス仲間に各地での流れを聞きました。幹線道路では速度をあげて走らなければいけないため、ある程度は名前の連呼。住宅街ではゆっくり移動しながら静かにお願いというスタイルで統一したという方々がほとんどでした。必死の思いを伝えるということで、最後の2日間は全力でいく選挙カーが多かったです。
落選=引退と決めていたので、まさか8回も選挙カーに乗るなどとは思ってもいませんでした。候補者のご両親やご家族の皆様の心配や心痛、疲労を思うと、選挙への立候補って本当に大変だし、友達や支持者の存在は何よりも大切だなと思います。
今回8時から20時休憩1時間1回。ウグイス嬢も人手不足で、18時から20時までは一人でワンオペという荒行もこなしました。さすがに体力的に厳しかったwでも喉は最後で枯れなかった。国政選挙では20分おきに交代。1時間走ったら休憩に降ろされます。恩返しの意味でのお手伝いだったので、当選してもらえたら嬉しいなと思っています。
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