戦前女袴への想い②装飾品
こんにちは、まゆナベです。
前回からの続きで今回は「装飾品」です。
それでは本日もおはじめしましょう♬
校章ベルト
これです。
ベルトは朽ちていますが、
一本として繋がっている
真鍮部分が変に磨かれていない
など、私にとってパーフェクト品だった為、即購入!
コレはラジオでもお話した、大大大好きな骨董屋「凡美堂」さんのモノ。
電光石火で問い合わせてGETした逸品です✨
▲先日の配信ラジオ内でも紹介しています
今回着付けさせて頂くのは、
私が奥様と偶然蛍堂で出逢ったのがきっかけとなり
お嬢様の成人式着付けを担当。
そのご縁で、卒業式の袴着付けもご依頼下さいました!涙
この時、温めていた袴、今だ!!!!と、
戦前の袴を再現制作すること、当時の校章ベルトをカスタムすることを
相談し、快諾頂けたので早速制作開始です!!(やったー!!)
まず、ベルトの紐は資料とし、そーーっと取り除いて
買ってきた布ベルトを通す…
で、肝心かなめのバックルへ通す!!
通す!!!!!
通らナイッッΣ( ̄ロ ̄lll)⚠⚠
てか、バックル部分、細っっ!!!!!
もっと薄いモノ、薄いモノ…
嗚呼!未仕立てのダメージ帯!
シミもあり、布も弱っているけれども何かに使えるかなと思っていたモノ!!
これを裂きまして…
通して縫う!!!!!
柄しつこいっΣ( ̄ロ ̄lll)!!!大爆笑
野暮ったい。そう、アンティークあるあるで、動く風呂敷みたいに
あれもこれも突っ込むと野暮になる…
昔って引き算うまくて、結構洒落てる☟
どーしよ、どーしよ…と、翌朝蛍堂さんへ出勤。
バックヤードで傷んで切れた男帯布の一部を発見!!!!✨
めちゃくちゃ理想の長さと幅!
店主に許可を得て再生へ!!!!
これよこれ!!!
このシンプルさがかっこいいのよ!!!
よしよし、シンプルになったぞ!!
因みに羽織とバッグは戦後のヴィンテージ。
主役は着物でも袴でも、ましてベルトでもない。
着てくれるご本人様なのです!
だから時代にこだわり過ぎて、
羽織もバッグも当時にする必要はない。というのが
私の考えです。
相手を美しくするはずが、
いつの間にか己の歴史マニア自己満になってはいけない。
スマホも入る大きさで重くない、邪魔にならないバッグ。
長すぎない羽織や紐も現代の着脱楽なモノがいい。
そんな理由で、「とにかく快適に過ごせて可愛いコーデ」
から、ブレないように意識しました♪
因みに当時の装い。
当時でも着物・髪型共にシンプルな女学生なのですが、
とってもお気に入りの一枚✨
彼女は脇で紐を結んで、その上からベルトをしています。
そう、当時の一般人のアルバムを漁ると、
この紐に法則など皆無で、この紐をどう結うか、
限られた制限の中でのお洒落を楽しんでいたのです。
着物・着付けは崩すことが自由になってきている現代。
そりゃそうだ、とも思うのです。
もう洋服の便利さを知ってしまいましたし、
和服は日常着ではない忍法タオル巻きのような
「ズレないことが楽で美しい」
という写真用の着付け感覚が一般美になってしまったから。
窮屈だから、崩したくなる。当たり前の感覚だと思うのです。
その一方で、洋装文化で育った海外の人たちが日本へ来て
崩した着物ばかりだと、感動が薄い気もするんですよね。
だから観光地で働く私は出来るだけ崩さないで
この写真の時代感覚でありたいと思うんですよ。
彼らが期待しているのは、サムライ映画、舞妓さん、竹久夢二の
キネマ女優なり、浮世絵の姿。
当時の彼女たちの袴着付けは、写真だけれども、
学び、遊び、体育をする為の装いです。
だから構造も素材も違いますし、動作も全く違ったことでしょう。
当日は袴の紐を結ばず着付けました。伊達巻みたいな感覚でしょうか。
現代の素材ですと重いこと、また絡んでとどまってくれないことで
難しい着付けですが、
実際に再現制作し、自身でも試着してみて、
当時の素材、作りならこれで一日過ごせたかなと思いました。
ご本人も、「軽い!え?軽い!!色も素敵!!✨」と
喜んで下さいました♪
また、着付け当日は驚くほど寒く、
羽織必須の気候でしたので、着脱楽な羽織紐をチョイス!
西浅草の黒猫亭の店主、ゆみ姐作ウッドビーズです。
この袴は職業婦人も兼用で着られるので、
着慣れた大人なら、ちょっといいジュエリー的な羽織鎖を
上目につけたり、
作業の多い日なら羽織紐も素敵かなと思います♪
かわゆい写真頂きましたので、
ぜひ歴史マニアや個性的な着こなしをしたいご自身の娘ちゃんや、
お客様の着付け参考になればと、
このシリーズブログの最後に全身をUPしたいと思います♪
それでは次回に続く…
2024年3月26日 赤口 まゆナベ♪