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【779/1096】いってらっしゃい、ただいま、おかえり
子どもが小学校にあがり、しばらくして、コロナが蔓延して、一斉休校になったときに、自分の仕事をなるべく自宅でできるものに切り替えた。
それまでは、「外に出ていく」のが当たり前に働いていたのだが、「家にいる」のが当たり前になった。
今はもうその縛りはなくなったけれども、継続していることに、子どもが家に帰ってくるときにはなるべく家にいる、というのがある。
朝、「いってらっしゃい」と送り出して
子どもが「ただいま」と帰って来た時に
「おかえり」と迎える。
会社員だった時にはできなかった。
いってらっしゃいは、子どもに言ってもらい、ただいまと帰ってくるのは私で、おかえりと迎えてもらっていた。
子どもは保育園にいたわけだが。
自分の子ども時代も、母親は私が幼稚園に入った時に働き始めたので、「おかえり」と迎えてもらうことはなかった。
妹はそれがすごくイヤだと言っていた。
そして、自分はそれをしたいからと、子どもを産んだ後、専業主婦になった。
私は、自分の経済基盤を手放すのは怖すぎる!と思っていた。妹よりも、結婚したのもだいぶ遅かったけど。
今は、必ず毎日出迎えることまではできていないが、出来得る限り、子どもが帰ってくる時間に家にいるように調整している。
そのように働けることは大変ありがたいと思っている。
今日、子どもが帰ってきて、いつものように「おかえり」と迎えたら、返事がなかった。
そして、しばらくして帰って来た「ただいま」は明らかにいつもと違った。こういう時に、一緒にいられるのはやはりありがたいことだと思う。
しばらく、ずっと黙っていたけど、顔を見て背中をさすったら、学校で嫌なことがあったと泣き出した。
「自分が悪い」と言って泣いていた。
話はあっちに飛んだり、こっちに飛んだりして、要領を得なかったけれど、自分の気持ちを必死に話していた。
そして、本当は話さないで、黙っていようと思ったと言った。
恥ずかしいから隠そうと思ったのだと。
でも、話したら、すっきりしたと言って、笑う顔が戻って来た。
恥ずかしいから隠そうとしたな、と思い出す。
親にバレたら恥ずかしいと隠したことが山ほどあった。
そして、それは、隠して隠して、なかったことにしようとしたけれども、実はずっと自分の中に蓄積されていただけだった。
もうすぐ親には話したくないという時期がくるだろうなとは思っている。
けれども、それまでは、親に話すのは恥ずかしいけど、話したらすっきりしたという体験ができるといいと思う。
そして、そういう話は、聴けるタイミングというのがあって、「おかえり」と出迎えられたから聴ける話というのがあるんだよなと思った。
これは、そうしなきゃいけないという話ではなくて、
自分が選択してきたことはこういうことかと思ったという話。
では、また。
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