森永康平著「国の借金は問題ないって本当ですか?」/税金ってなに?国債って何?MMTとは?
最近、Youtubeでよく、「税金は財源ではない」という話を耳にしておりました。
室伏謙一さんの説明で大まかには理解できましたが、もう少し深く知りたいと思い、たまたま知ったこの本を読んでみました。
この本の基本的な考え方は、MMT(現代貨幣理論)に基づいております。
MMTとは
ご存知の通り、国の借金とは国債のこと。1月〜3月の予算審議で決まった予算は、4月になると即座に執行される。公務員の給与の支払い、インフラ整備など、すぐにお金が必要だから。発行された国債は日銀や民間の銀行が買い取る。民間の銀行が買い取った分も結果的には日銀が買い取る。
国の借金=民間の資産が増える事を意味する。
政府が赤字=民間が黒字ということ。
バラマキと言われた定額給付金も国債を発行し国が赤字になる事で国民は黒字になった。
ここまで、税金はいっさい登場しない。
【信用創造とは】
この本を読んで、「信用創造」という言葉を知りました。
例えば家を購入する時ローンを組みますよね。その時、お金が実際に入金される訳ではなく、通帳に金額が記入されるだけなのだそうです。
私は今まで全く知りませんでした。
なら、例えば、全国民が一斉に預金の引き出しをしたらどうなるか。
その場合、時間はかかるが日銀が紙幣を刷って対応するんだそうです。ただし、銀行は潰れるかも。
【税金は、そもそも財源ではない】
よく、国の借金は何兆で、一人当たり換算すると何百万にもなるという説明を聞きますよね。
ごく簡単に言うと、
政府の予算が決まると国債を発行。日銀は紙幣を発行して政府に貸す。その原資を使って各方面にお金を使う。市場にお金が出回り、企業は潤う。
対して税金はというと、国の当座預金に入れられるので、徴収された分のお金が市場から消える事を意味する。
日銀は政府の銀行だから返す必要はない。
永遠に借りっぱなしはできないが(60年償還ルールがある。)永遠に借換を繰り返せばいいだけ。つまり赤字国債は何の問題もないというのですね。
何故これが成立するかというと、日本は自国通貨を持っているから。
自分の国の中でお金を発生させる事ができるから、財政破綻する事はないという事です。
【税金の目的】
では税金は何のためにあるのかというと、世の中にお金が出回り過ぎた時は徴収額を増やし、その逆の時は減らす、つまり減税をして通貨の流通のバランスをとる。
税収は、予算に充てられる他、国債の償還にも充てられる。
今国民が疲弊している時に増税するのは全く逆効果。
【税金が実際にどう使われるか】
例えば2022年度の国の税収は、2023年3月の確定申告を経て7月頃に確定する。税収は政府預金に振り替えられ、景気が良い時は国債の償還にも使われる。(政府預金か、国債償還の二択)繰り返しになるが、実体経済からお金は消える。(ここ重要)
税収が政府預金に振り替えられるという事イコール中央銀行と政府の間で決算をする時のみ使われるお金となる。なので、実体経済からお金が消える事を意味する、という訳です。
ちなみに、政府預金に振り替えられた税金は国債発行で調達したものと混在するので、何に使われているかは判然としない。(そうなんだ…^^;)
【税金の役割】(重要)
際限なく国債を発行しても財政破綻はしないけれど、だからと言って税金が不要な訳ではない。
その理由は、社会生活を営む上で適切な負担金を払う事で、人が生きる上でのモチベーションになる。払う必要がなければ生活の秩序が保てなくなる可能性があるから、という事のようです。
ここは、精神論めいていて面白いなぁと思いました。
【まとめ】
基本的に、好景気には増税&緊縮財政。
不景気には減税&積極財政。
岸田政権はその真逆を突き進んでいる事になりますね。
国の借金1200兆円!1人あたり1000万円の借金!などとよく耳にするが、財政赤字の額を気にする必要はない。必要な政策には全て予算をつける事で、政府主導で経済は成長できる。
この事を理解できていない国会議員も多いと聞きました。中には、わかっているのに無視して財務省の言いなりになっている方もおられるようです。
森永卓郎さんの「ザイム真理教」と、ご子息のこの本を読み、私なりに理解できて良かったです。
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参考動画↓
税金とは何のためにあるか。↓
繰り返しになりますが、
国債を発行するということは、国民が潤うということ。市中にお金が出回るということ。
しかしお金の過剰供給はインフレを起こす危険があるので、税金で調整する。国債と税金徴収のバランスを保つ事が重要。
税金=財源ではない。
何か参考になりましたら
幸いです♡