アニメのはなし:君の瞳に……映った僕に、乾杯『COWBOY BEBOP』
ビバップ25周年ですって!!!
25年前にあのクオリティでテレビシリーズを作ってたって、ホントに改めて考えてもすごいっすわ。
なんかいろいろコラボするみたいだし、楽しみだなー。
でも実は私、DVDもBlu-rayもサントラも、なんならプレステ2で発売されたゲームソフトまで持ってるようなビバップオタクなんで、今回のコラボ商品についてどの程度私の購買意欲が動くかは、正直微妙。
という訳で、25周年ニュースに触発されて、Netflixさんで何度目か分からない『COWBOY BEBOP』を再視聴。
いやもう、やっぱ何度観ても大好き。
2071年。
人類は太陽系を開拓し、地球以外にも生活圏を広げていた。だが同時に太陽系の治安も悪化。「カウボーイ法」が制定され、指名手配犯を追いその賞金で生活するカウボーイたちが活躍していた。火星生まれでジークンドーの達人スパイク(山寺宏一)と、相棒のジェット(石塚運昇)も、賞金を稼いで日々を過ごすカウボーイ。
ひょんなことから借金まみれでギャンブル好きのフェイ(林原めぐみ)、軟体動物のような動きをし独特な世界で生きる天才ハッカーのエド(多田葵)、ある研究機関により生み出された高い知能を持つコーギー犬・アイン(サウンド エフェクト)と仲間になる。
4人と1匹による、ハードボイルド、コメディ、サスペンスが入り混じった、SFスタイリッシュアクション。
当初は「渋すぎる」「音楽がジャズなんて!」と言われたようですが、今じゃ世界中にファンがいるし、大爆死したけどNetflixで実写化もしたし(ビバップは完成しすぎているから実写化なんてしちゃいけなかったのよ)、最近はテレビとかのメディアでもビバップのサントラがよく使われていますね。
ドはまりした世代がそこそこのポジションの年齢になったってことも理由のひとつだと思うけど、やっぱり菅野よう子さんの音楽、めちゃくちゃカッコいいもの。
ちなみに本作、渡辺信一郎監督が「やりたいことを全部詰め込んだ」という作品。渡辺監督は音楽だけじゃなく映画にもめちゃくちゃ詳しいので、ものすっごい細かいオマージュが散りばめられていたりします。主人公のスパイクもブルース・リーを師匠と崇めてるし、4人が暮らす宇宙船ビバップ号にも『2001年宇宙の旅』みたいな重力装置があったり。
そしていまハリウッドをはじめ大人気のポリコレですが、ビバップは最初から人種入り乱れ。肌の色も言語も、混沌と入り混じった太陽系の日常がなんだか心地いい。
とにもかくにも、各話、映画のように構成されたアニメシリーズなのです。
ちなみに劇場版の『カウボーイビバップ 天国の扉』は、スパイクの愛機ソードフィッシュⅡのドッグファイトシーンが恐ろしいほどカッコいいです。
そこで流れる「What planet is this?!」も、曲の入り方を含めて最高。最&高。
で、タイトルの「君の瞳に……映った僕に、乾杯」ですけど、「Session#22 カウボーイ・ファンク」に出てくる、私の大好きなアンディというキャラクターの名台詞。
やっぱ私、アンディ好きだわ。大好きだわ。
アンディは、愛馬オニキスに跨ったカウボーイ姿の賞金稼ぎ。ナルシストで周りに迷惑をかけまくり、「あいつにだけは捕まるな」と言われる、YMCA(ヤングマンズ・カウボーイ・アソシエーション)に所属してたけど、他の人の迷惑だからってすぐ除名されたという、ゲストキャラです。
ちなみに声は江原正士さんです。
ちなみに劇場版にも一瞬だけ登場します。
というわけで、スパイクとアンディのシーンでは、ジム・キャリーとトム・ハンクスによる、わちゃわちゃした掛け合いが聞けます。
ちなみにスパイクの宿敵・ビシャスは若本規夫さんですので、こちらでは、ウィル・スミスとあなごさんによる重苦しい掛け合いが楽しめます。
ビシャスの「すぱぁ~いく」も久しぶりに聞いたけど、マジでたまらん。クセになる。
25年前の作品ですが、今観ても古さなんて欠片もないし(古さを感じるのは画角が4:3なことくらい)、改めて「確かにねぇ」と思わされるセリフもいくつかあった。
スパイクが駆るソードフィッシュⅡの前の持ち主であり、職人肌のエンジニア・ドゥーハン(相当渋くていいオヤジ)が、「最新システム搭載にすればいいのに。そのほうが楽なのに」という、アシスタントへの返事もそのひとつ。
「機械を使いたいのか、機械に使われたいのか」
2071年に生活圏が太陽系まで広がってるかはなんとも言えないけど(たぶんムリだけど)、ビバップの世界観が現実になる時代もそう遠くはないかもしれないですね。
ビバップ号が宇宙を飛び回ってるなら、その時代までなんとか生きていたいと、割と真剣に思っています。
25周年ツイートは描き下ろしイラストだったけど、運昇さんが亡くなってしまったので、映像は難しいのかな……。
ジェットさんよぉ。