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パパの「産後うつ」もあるって知ってる?

女性の産後うつの割合は11.5~15.1%と言われていますが…
実は男性の産後うつの割合も全体の8.2~13.2%と女性と大きく変わらない。


 
助産師38年目のMAYUMIです。
 


「産後うつ」といえば女性特有のもの?


と思われて来ましたが…
2005年にイギリスで大規模な調査をしてみたところ男性にも高い確率でみられることが明らかになりました。
日本でも最近、同様の調査が進められだんだん実態が明らかになってきました。
 

男性の産後うつの割合と発症時期


日本の一般人口での男性の「うつ」の割合は2.9%と言われています。
一方、「周産期(女性の妊娠中から産後1年以内の時期)うつ」の割合は8.2~13.2%

なのでこの時期の「うつ」の割合がかなり高いということなんです。

 

「産後うつ」の発症時期で女性と男性を比較


いつ頃「産後うつ」になりやすいかというと
女性は産後1ヶ月以内が15.1%にピークがあるのに比べ、男性の場合産後3~6ヶ月に13.2%のピークがあるそうです。
 
このデーターには私も日頃から実感しています。

産後1ヶ月前後に母親の状態が不安定だと家族や地域の保健師さんからの紹介で当院にママが来られます。
産後4ヶ月頃、何とかママのメンタルが持ち上がり、ここまでくればよし!
と思っていたら…
ママから
「実は最近夫の調子が悪くて…。うつで休職しました…。」と。


 

女性と男性の産後うつの原因の違い


女性の産後うつの主な原因はホルモンです。
勿論、性格的特性や過去のうつの経験、周りのサポート力も影響しますがその条件が違っていても皆同ようにあるのがホルモンの嵐。
 
出産が終わると同時に母乳を作るプロラクチンというホルモンが滝のように流れてきます。
そのホルモンはママをそわそわさせ、気を高ぶらせます。
これは、はかなげな我が子を危険から守ろうという動物的な行動の原動力なのですが…結構翻弄させられます。
しかし、産後3~4ヶ月かけてこのホルモンの出方も少しずつ落ち着いてきます。
 
一方男性はそのような妊娠出産のホルモンにはさらされませんが、社会的プレッシャーがあります。
周りからも家族に対して世間的、経済的責任を負うことを強く期待されます。


だって、女性は法律でも産後2ヶ月は働けないことになっていますし、産前を含むと最低3~4ヶ月はどうしようもない。
 
実際は、女性が雇用されている場合は「出産育児一時金」「出産手当金」がもらえます。
しかし「出産一時金」はお産で消えるどころか追い銭がいるのが殆ど。
「出産手当金」も普段の給料の約2/3ですから、家族が増えるのに母親が働いていないと家計収入が減るのは事実。
フリーランスや個人事業主の場合は働かなければ無給なわけです。

 
余談ですが…

25年前の私達の時代は、「出産手当金」は一般企業ではほとんどなく、産後2ヶ月で復職できなければほぼ解雇されました。
それか理解ある職場なら無給でよければ席は残しておいてあげるよ(育休)。
その代わり社会保険が欲しければ働いてなくても自分で保険料は払ってね。
というものでしたから、育休をとればとる程家計は苦しくなるという状態でした。
だからその間男は必死に働くしかなかった。

当時、両家の女親が口を揃えて言いました。
「男には外で稼いできてもらいなさい。
あなたは家の中を守りなさい。
外のこと(経済的なこと)は男に任せておけばいいのよ。」
 
今から思うと、夫は相当のプレッシャーだったでしょうね~。
 

男性の産後鬱の特徴


 ・気分不快
 ・気力低下
 ・怒り
 ・苛立ち
 ・過活動
 ・情動コントロール困難
 
パートナーにいつもよりそんな行動が目立ったら要注意です。

 

男性の産後うつへの対策


男性も産後鬱になることへの理解を自身も周りも理解することです。
ママだけでなくパパの精神状態の観察も周囲の人たちが気を配ることです。

これは、私達も気を付けないとと思います。
ついママと赤ちゃんに掛かりきりになってしまいますが、パパにも声かけしないと…。

男性の行動や思考があまりにもいつもと違う時は適切なサポートや連携機関に繋げましょう。
 
男性の産後うつは女性が産後うつになると発症しやすくなるというデーターもあります。
男女の産後うつの発生時期のずれからもわかるように、女性の「産後うつ」を支えている間に男性のエネルギーが枯渇すると考えられます。

女性が産後うつに陥らないように、またそこからの回復を促すサポートは早ければ早いほど良いのだということです。
 
だから、ママは一人で頑張るの辛いなと思ったら早めにSOSを出すこと。
パパも自分一人で母子を支えようと思い込み過ぎないで上手にSOSを出すこと。
それにはお互いがどんなことを感じているか日頃からコミュニケーションをはかり共感しあう事。
そしてお互いをいたわり合うスキンシップも時には入れてみましょう。

次回のお知らせ

昨年末、産後うつに効くツボを鍼灸師さんに教わりました。

お互いのスキンシップも兼ねて家庭でできるツボ療法についてお伝えしますね。


今日も最後までのお付き合いありがとうございました。

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