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今こそ自分を見てみようよ

昨今のコロナ騒ぎにはほとほと、飽きました&疲れました。
フリーなのでリモートワークもオフィスワークも関係ないんですが、
準備してきたイベントや出張が延期だ中止だとなって、つまらない。
そんなところに別件が入るありがたさを感じつつも、
なんとなく宙ぶらりんな気持ちで毎日を過ごしています。

ところがそれを打ち砕くスーパーマンが登場。
友人のクリエイター、holidayこと堀出隼さんが、
自宅学習で外出を制限されている小中高校生たちを対象に
オンラインでミュージアムを開館するというのです。

その名もホリデーミュージアム。

子どもたちから集めた作品に、館長のholidayがデザインワークを施して
オンラインミュージアムに“展示”してくれます。
3月27日までが募集受付&展示期間で、その後、私も審査員の一員として、作品を審査させていただくことになりました。
朝食が人気の「bills」がこの企画に賛同してくれて、

「山口繭子賞(笑)」→これが正式名称です

に輝いた子どもアーティストには、billsのスイーツセットをお贈りしますので、良かったらみなさん、お近くの子どもたちに教えてあげてください。

ところで、
holidayさんとこの企画についてメールでやりとりしているうちに
くさくさしていた自分の気持ちも、なんだかウキウキモードに変換されているのを感じます。
そして、見渡してみれば、こんな時なのに「今しかできない(楽しい)企画」を
発信しているシェフやクリエイターがたくさんいました。
食のジャーナリスト、江藤詩文さんは、
南米のガストロノミーシェフの知人から「こんな時だからいろいろあるけど仕方ない。新しいメニューを考えて過ごしてるんだ。トーキョーで流行ってるもの、なに?」というメールが届いたとSNSに投稿してて、読んだ私もちょっと心が和みました。
noteでも大活躍の自炊料理家、山口祐加さんの新刊「週3レシピ」はなんと3月23日発売。
コロナのことなんて完全想想定外だったかとは思いますが、このタイミング。
会社に行けず、こんなにパートナーと長い時間を過ごすなんて初めて&ツラいと思い始めたリモートワーク倦怠期夫婦の危機を救うんじゃないかとか、これをきっかけに自炊に目覚める人が続出するんじゃとか、
そんなシーンを勝手に想像しています。

そして考えてしまうのです、自分のことを。

仕事とんだーとか、入ったーとか、退屈ーとか、
コロナに翻弄されるままに、ほとんど意識変革がありませんでした。
ヤバい、これではダメだ。
非常事態も、何週間も経つと慣れちゃうんですね。
そしておそらく、今の過ごし方がきっと事態収束後の自分に響いてくるのは間違いありません。
「ブランディング」という言葉は、いつも仕事の場で使ってきましたが、
ぽっかりした時間や空間を実感できる今、
自分の棚卸しをしておくのも悪いことではなさそうです。

先日、とあるプロジェクトのための全体ミーティングがありました。
若いシェフが同席されていて、
彼もいる場で、ディレクションを担当する私が作った
「今回のプロジェクトに推薦したい12名のシェフ」のリストを、
クライアントやマーケティングの方々と一緒にモニターで見ていたときのことです。
そのシェフもリストの筆頭に入れさせていただいていたのですが、
彼の一言が印象的でした。

やべー、こんな風に僕たち、知らないところで選ばれたり選ばれなかったりしてるんですね!

なんだか、失礼をすみません、選ぶ立場ではないんですよ我々。
どなたにお願いしたいかを決めているんですよ〜とご説明しつつ、
きっと他の場所では、私だってこんな風に審査されているんじゃないかな、という想像がリアルに沸き起こってきました。
SNSがありnoteも駆使して、しかも仕事をしているのであれば、
私たちはいつでもどこでも、実は誰かから審査されている状態です。
怖い気持ちもありますが、逆にそこにチャンスもあります。
昭和チックな営業電話とかしなくていいんですもん、
デジタル時代にハートも保ちつつ仕事できる立場は、たぶんラッキー。
しかし、会ったことのない南米のシェフの言動に興味を覚え、いつかお仕事を一緒にしてみたいと思ったことを振り返れば、
ぶーたれテイストのnoteや自分本位のInstagramネタは、単なる「発散」であり、自分で自分の営業妨害をしているようなものです、きっと。

聞けばコロナ、事態が収束するまでにはまだまだ時間がかかるんだそう。
今、私が見るべきものは、なんだろうか。
ハッピーを運んでくれたたくさんの人たちに、負けない自分を見出したいと思いました。

#料理 #COMEMO #ブランディング



フードトレンドのエディター・ディレクター。 「美味しいもの」の裏や周りにくっついているストーリーや“事情”を読み解き、お伝えしたいと思っています。