何から始めればいいかわからない! そんなあなたのためのブランディング《中井茉由子× 田口淳之介× 佐藤佑哉》
こうした相談が、日々多くのコーチたちから寄せられます。
マーケティングを学ぶこと?
起業塾に入ること?
集客すること?
様々な情報が溢れるなか、本当に必要なことを一人で見極めるのは簡単なことではありません。でも、それで足踏みしてしまうのはもったいない!
はじめにお伝えしておきます。
私はエグゼクティブコーチであって、ビジネスの専門家ではない。コーチとしての自分の専門性に自信を持っているからこそ、専門外の領域であるビジネスの構築や推進に関することはパートナー達の力を借りてともに進めています。
では、私のビジネス構築を支えてくれたプロフェッショナルたちは、こうしたコーチたちのお悩みにどう答えてくれるのか。
私のメンター兼Vivid Factors顧問である対話の専門家 田口淳之介さん、Vivid Factorsのブランディングを支えるパートナー企業 Amitie inc. CEOの佐藤佑哉さんのお二人に聞いてみましょう!
ブランディングから始めよう
中井 「ビジネスを始めたいけれど、何からすればいいですか?」とよくコーチたちから聞かれるんですけど、お二人ならどう答えますか?
佐藤 ずばり、ブランディングから始めてください! と伝えますね。誰に何を届けるか定まらないまま頑張って発信しても、誰も来てくれない。けれど、時間というコストはかかっていくんです。
中井 佐藤さんのいう「ブランディング」とは?
佐藤 まずは自分がサービス提供者としてどう認識してもらいたいか。自分にどんな経験や強みがあり、それでクライアントをどう幸せにできるのか、を考えるところがスタートですね。
田口 あとは、それを「言語化」することも大事。ビジネスって、他者の力を借りて言語化することで初めて輪郭が見えてくるんですよ。
佐藤 さらに色やフォント、写真などで「ビジュアライズ」します。「言語化+ビジュアライズ」することがブランディングなんです。
それらなしにビジネスを始めるのは、設計図なしでいきなり家を建てるのと同じ。であれば、最初から建売で好きそうなやつ買った方がいいですよね。
田口 建売は、コーチング業界でいうところのプラットフォーム。そこに入れば、ある程度クライアントに接する機会が得られます。とはいえ、同業他社がいる限り、どちらにせよブランディングは必要です。
佐藤 そのなかで見せ方を工夫して、いかに選ばれる人になるか。さっきの例えでいえば、建売住宅の中のインテリアを工夫して、いかに魅力的な部屋にしていくか、が重要なわけです。
中井 コーチたちのなかには、かっこいいプロフィールやイケてるバナーをつくることをブランディングだと思っている方も少なくありません。
田口 かっこいいプロフィールやイケてるバナーなんてあっても何の役にも立ちません。必要なのは、伝わるプロフィール! 伝わるバナー!
佐藤 誰に伝えたいか、その伝えたいことがそもそもニーズのある内容か、という両側面から考えてほしいですね。
大好きな人にメッセージを送るつもりで
中井 ペルソナを描きながら、競合がたくさんいることに気づき、そのなかで選ばれるにはどうすればいいか悩むコーチも多いです。
田口 「コーチはすでにいっぱいいるから無理ですよね」と諦めるのは違うでしょう。パン屋や美容院なんかもっとたくさんあるけれど、みんなそれぞれ選ばれるように工夫しているんだから。
佐藤 ご自身が普段サービスを受けるときのことを考えてみたらいかがでしょうか。例えば、外食しよう! となったとき、どんな基準で店選びをしているか。
田口 それを意識することが大事。自分のことがわからなければ、これから出会うクライアントのこともわからないですもんね。
中井 普段よく利用するマックも、数ある店舗から選び、さらには「この角の席がいい」みたいなのがある。その理由がアクセスなのか、接客なのか、意識的に言語化すればいいんですね。
佐藤 「選ばれるために」と考えると、価格や実績といった条件面に目が向きがち。でも、自分がお客さんとしてリピーターになるときって、違うところに惹かれていたりしますよね。
だから、いったん条件を忘れて、大好きな既存のクライアント3人に向けて発信してみるといいですよ。
田口 そうすると、自分が出会いたいクライアントに引き合わされる。僕は経営者として真摯にビジネスに取り組んでいるクライアントをサポートしたいので、そういう方々に向けて発信しています。
中井コーチとの出会いもまさにそう。プラットファームを辞めて会社を立ち上げた中井コーチから顧問を任されて、共にビジネスに向き合っています。
佐藤 SNS発信もただ闇雲に時間をかけるより、大好きなクライアントにメッセージを送るつもりでやってみると、理想のクライアントから選ばれるようになりますよね。
中井 ただ、コーチたちのなかには、「クライアントをそこまで大好きと思えていないかもしれない……」なんて方も。
田口 そんなに真面目に考えなくて大丈夫! 「この人のために何かしてあげたい」「相手に喜んでもらえて嬉しい」という気持ちを認めることから始めましょうよ。
ブランディングは一人でやらないで
中井 「コーチとして頑張っている自分と、友だちと楽しんでいるときの自分、両方発信していいですか?」とよく聞かれます。ブレが生じるんじゃないかと。
田口 ブレたらええがな(笑)! ブレながらつながっていくのよ。それまでは、テストマーケティングだと思えばいい。ただ、ブランディングとしては何を出すかより、何を出さないかっていう引き算をしていくべきだとは思います。
佐藤 「いったん全部出して引き算する」のは、無理なく発信を続けるコツですよね。ただ、僕はポジティブに持っていけるなら、何を出してもいいと思います。それが個性として光ったり、共感を生み出したりすることもあるから。
田口 デメリットになりそうなことをあえて出して、牽制する手もあります。僕は自由なタイプなので、真面目すぎる人の怒りに火をつけやすいんですが、逆にそういう方が集まらないような出し方を心がけていますね。
佐藤 発信に関していえば、今は「いい時代」ですよね。でも、一人でブランディングするのだけはやめた方がいい。
中井 本当にそう思います。例えば、田口顧問もご自身で作成した自己紹介に「食べるのが早い」と書いていて。「それ、ビジネスにつながらないからやめた方がいい」って指摘しましたもん(笑)。
田口 いやいや、あれは意味があるんですよ。「食べる奴は仕事ができる」と昭和の先輩方が言っていましたからね。
中井 今、令和ですから! 私が今顧問を探すなら、「食べるのが早い」と主張する顧問は選びません。これはクライアントとしてのフィードバックです(笑)。
佐藤 こういう必要な情報の取捨選択ができるのも第三者だからこそ。
田口 だから、僕たちはいつも一人でやらない。仲間からフィードバックをもらうほか、プロの力を活用するために投資したりして、もっとよくなるためのアドバイスをもらいます。ブランディングにおいて、プロフェッショナルたちの客観的な意見は本当に大事!
中井 2023年10月14日(土)に開催する『THE BRANDING for Coach』では、まさにカメラマンやスタイリスト、動画編集者などのプロフェッショナルたちが大集合します。ブランディングをどんなメンバーでどうつくっていくのか、舞台裏が見られる貴重な機会!
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