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週刊囲碁日記

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3歳から囲碁をやっていて、囲碁界の奥の奥まで知っている私の、忖度なしのここだけの囲碁の話です。
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#囲碁

#38 週刊囲碁日記 囲碁界のプリンス・一力遼棋聖が19年ぶりに世界一になるかもしれないことの凄さを、囲碁を知らない人にもわかりやすくお伝えします

こんにちは。瀧真有子です。 一力遼さんが「応氏杯世界選手権」の「決勝五番勝負」で第1局、第2局に勝利しましたね。 囲碁界は19年ぶりの国際戦優勝が見えてきたことで、ものすごい盛り上がりですが、残念ながら囲碁界以外での認知度はまだ低いようです。 囲碁について色々書いている私にも、一般のメディアの方から問い合わせをいただいたりすることがあるので、今回のことがどれだけすごいのか、囲碁を知らない方にもわかるようにお伝えしたいと思います。 構成としては、前半は、「囲碁界がどんな状

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#39 週刊囲碁日記 大盤解説会は無料か有料か/クラウドファンディングで伝えて欲しい若手棋士たちの現実

こんにちは。瀧真有子です。 名人戦が始まりましたね。雰囲気のある動画やポスターを作成したり、見せ方を工夫されている感じがするので、今後の展開を楽しみにしています。 女子リーグもやっとページができたようですね。 リーグの発表の時にできているのがベストな気がしますが、ないよりは良いですからね。今後、囲碁を知らない人たちにどれだけアピールできるのか、注目しています。 さて、囲碁を好きな方なら、大盤解説会に参加されたことはあるでしょうか。私ももちろんあります。 先日行われた、

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#37 週刊囲碁日記 レジャー産業は余暇時間の奪い合いなのか/囲碁が強い人は能力が高いのか問題/スポーツ選手との比較で考える、棋士や元院生のセカンドキャリアについて

こんにちは。瀧真有子です。 体調不良で療養していたため、更新が空いてしまいました。 注目のニュースも多かったので、どんどん更新していきます。 まずは日本女子囲碁リーグの開幕です。 人気棋士が多数出場していたので、囲碁ファンや棋士の間では盛り上がっていたようですが、やはり、囲碁を知らない人に見てもらうには、もう少し工夫が必要だと感じました。 華やかさ、メディアへのアピール、わかりやすい表現、等々、できることはたくさんあるように思います。 ◇日本女子囲碁リーグ https

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#36 週刊囲碁日記 地方対局こそ観る碁ファン向け企画を/「威張らない生き方」に思う棋士と裏方との関係性/囲碁界の利益相反についての考察

こんにちは。瀧真有子です。 国際棋戦での日本の棋士の活躍が注目されていますね。黄竜土杯での上野愛咲美さんの準優勝、井山裕太さんの衢州爛柯杯でのベスト4、一力遼さんの応氏杯ベスト4入り等々。 いずれも優勝ではないからか、囲碁ファンが減っているせいか、注目されるようなメディアでは取り上げられませんが、新聞社の囲碁担当の方々は、コツコツとSNSなどで速報を書いてくださっています。 ◇上野愛咲美・女流立葵杯、女性棋士の国際棋戦で準優勝…中国・江蘇省https://www.yom

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#35 週刊囲碁日記 上場企業が棋戦のスポンサーになることの意義/トップ営業の成果と重要性/女流棋士だけは生き延びられる説

こんにちは。瀧真有子です。 仲邑菫さんが韓国で初優勝しましたね。移籍後の動向が、普段から大手メディアや日本棋院からほぼ伝わってこないのが残念ですが、さすがに今回のニュースは報道されていました。 ◇囲碁の仲邑菫三段、韓国に移籍後初優勝 決勝で元世界覇者破るhttps://www.asahi.com/articles/ASS6B21D1S6BUCVL01PM.html 普段の仲邑菫さんの動向は、韓国のサイトを観るしかなく、一生懸命調べて伝えてくれる熱心なファンの方もいますが

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#33 週刊囲碁日記 映画「碁盤斬り」公開による囲碁界の皮算用は?/本因坊戦開幕・1日制移行による変化/囲碁を教わるならプロかインストラクターか

こんにちは。瀧真有子です。 映画『碁盤斬り』が公開になりましたね。色々忙しくてまだ見ていないのですが、レビューを見ると評判も良いようです。 脚本を書かれた加藤正人さんも囲碁を打たれる方ですし、高尾紳路九段が囲碁の監修をされているようなので、囲碁に関する描写もきちんとしていることと推察します。 ◇映画『碁盤斬り』をもっと楽しむために(後編)~監修・高尾紳路九段のこだわり https://www.nihonkiin.or.jp/etc/writer/column202405

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#32 週刊囲碁日記/碁会所土日休みの謎/囲碁はゲームか文化か/ガチ囲碁勢とゆったり囲碁勢の共存について/棋士もセカンドキャリアを考える時代

こんにちは。瀧真有子です。GWも終わり、日常が戻りましたね。 囲碁の世界はGWなどほぼ関係ないようです。プロの対局が大型連休と無関係なのはもちろんのこと、イベントなども、囲碁のビジネスの場合、人の余暇の時間をいただいて、自分たちの仕事に変えていかなくてはいけないわけですから、休日は業界人にとって稼ぎ時なのかなかな、と思っていました。 という中で、Xでは、下記のような記事に反響がありました。 麻雀を楽しんでいた方が、囲碁を始めたことで、苦労していることをまとめた内容ですが

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#31 週刊囲碁日記 世界で結果が出れば流れが変わる?/女子リーグの開幕に期待/日本棋院の選挙は変革となるか

こんにちは。瀧真有子です。 今週のテーマは下記のとおりです。 ・世界で結果が出れば一気に流れが変わる ・女子リーグ開幕への期待 ・日本棋院の選挙で大きな変革となるか 久しぶりに世界戦で日本棋士の活躍があり、囲碁ファンが盛り上がっていたようですね。活躍と言っても、優勝争いではなく、ベスト8に残ったり、女流棋士が中国のトップ棋士に勝った、ということではありますが、今の日本囲碁界にとってはすごいことです。 ◆井山、上野が16強入り!【第2回衢州爛柯杯ワールド囲碁オープン2回

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#30 相撲界との比較にみる、囲碁界活性化のアイディア/他業界から学べることはたくさんある

こんにちは。瀧真有子です。 棋聖戦が終わりましたね。最終局までもつれ込み、一力棋聖の防衛に終わりました。 個人的に一力さんの碁が好みなので、興味深くシリーズを拝見していました。 棋聖戦のサイトでは、囲碁を知らない人にも興味をもってもらうためか、対局地の紹介や、現地にいる棋士の様子など、盤外の情報などもたくさん更新されていましたが、囲碁を知らない人がそれだけで楽しむには中々難しい感じでした。 これは、主催している読売新聞の努力が足りない、みたいなことではなくて、そもそも

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#29 囲碁棋士の賞金が低い理由と価値を上げていくためのアイディア

こんにちは。瀧真有子です。 突然ですが、囲碁棋士の賞金って高いと思いますか? それとも低いと思いますか? 上記は昨年の賞金ランキングの記事です。12年連続賞金王だった井山さんが、1位から陥落し、一力さんが1位になった、ということがメインのテーマで、上野愛咲美さんが女流棋士ながら4位に入ってきた、という話題も盛り込まれていました。そして1位の一力さんの賞金は1億1972万円。 一方、上記は、ゴルフの2023年賞金ランキングです。1位の中島啓太選手の賞金は1億8498万円。

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#28 囲碁界の師弟制度の仕組みを解説/師匠と弟子の特殊な関係

こんにちは。瀧真有子です。 仲邑菫さんの韓国行きの日程が迫り、国内最後の対局が注目されていましたね。 無事に(?)有終の美を納め、記者会見を行いましたが、このときに持っていた花束が貧相だと言って、怒っている人がいました。 大手メディアでたくさん取り上げられていたので、確かにもっと豪華な花束の方が良かったかもしれませんが、こういうところから、 みたいに、裏読みする人もいるようです。怖い世界です。 日本棋院にとっては、稼ぎ頭のような存在を失うわけですから、野球選手が大リ

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#27 「GOTEKI」が担った役割と飛躍しきれなかった理由

こんにちは。瀧真有子です。 前回の記事でたくさんの反響をいただき、囲碁界の現状や普及へのあり方について、皆さん思うところがあるのだなと実感しました。 囲碁を仕事にしているような方ではなくても、囲碁界の現状を憂い、色々な取り組みをしてくださっている方がたくさんいるのですね。 自分自身がいちファンでありながらも、業界の発展のために色々考えたり、尽くして下さる方がいるということは、つくづく、有難い世界なのだなとも思いました。 その有り難みを実感して、利他的に行動できる人が増

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#25「憧れるのをやめましょう」は囲碁でも同じ/勝ちたい人には憧れない

こんにちは。瀧真有子です。 WBCでの大谷翔平選手の「憧れるのをやめましょう」という言葉、有名になりましたよね。 対戦相手に憧れの選手たちがいるのだけれど、彼らを越えるためには、憧れを捨てなければいけない、という戦ううえでのメンタルを語ったお話でした。 この話、囲碁にも、他の勝負事にも共通しますよね。

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#24「なるべくなら勝てる相手と打ちたい」と思ったことがある人へ

こんにちは。瀧真有子です。 新しい年が始まりました。「今年の打ち初めを済ませた」という方も多いのではないでしょうか。 私はオンラインレッスンが打ち初めでした。碁盤と碁石を使って打つ、リアル対局が人生の大部分を占めている私は、オンライン対局とリアル対局を同じ感覚では打てるようにならず、苦しんでいた時期がありました。 それがここ数年、オンラインの対局やレッスンが増えたことで、かなりリアルに近づいてきた感じがあり、いくつになっても、歩みは緩やかでも成長できるのだな、と感じた新

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