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東京お散歩日記#16(初台~代々木)

お散歩日記(初台~代々木)
・・・11月◎日 晴れ ・・・

今日は川内倫子さんの展覧会『M/E 球体の上 無限の連なり』をみるため、東京オペラシティにやってきました。

この東京オペラシティは初台駅から直結になっているので、改札(東口)を出てそのまま連絡通路をいって、地下から地上にあがります。

東京オペラシティの中庭、サンクンガーデンに出ました。見上げると、雲ひとつない青空が広がっています。

そして中庭には大きなクリスマスツリーがありました。もうそんな季節なのだなあとしみじみ思います。一年経つのが本当に早いです。

そしてエスカレーターをあがると、長く続く階段が目に入りました。
この階段をのぼった先にはコンサートホールがあります。

ですが、今日の目的はアートギャラリーなので、そちらへ向かいます。

川内倫子さんの展覧会『M/E 球体の上 無限の連なり』です。
このM/Eは、「母(Mother)」「地球(Earth)」の頭文字で、「母なる大地(Mother Earth)」、そして「私(Me)」でもあるそうです。

今回の展示はすべて写真撮影が可能ということなので、この『お散歩日記』に掲載したい理由もあって写真を数枚撮らせていただきましたが、でも、なかに入ってみると、撮ることに意識を向けることが惜しく感じるほど、ただじっとみて、静かに感じていたいような、そんな展覧会でした。

ちなみに展示は写真だけでなく、映像やインスタレーションのようなところもありました。

静けさのなか、柔らかな光のある写真に見入ります。ただ綺麗とか、優しい感じとか、そういう表現だけでは言い尽くせないような感覚が胸にせまります。魂の深いところに響く感じ…というのかもしれません。

川内倫子さんの写真をみていると、生きると死ぬ、その両者のなかにある微細な光のような美しさ、あるいは繊細さと強さをみるような気がします。

今回の展示をみていて改めて思ったのは、自分は地球という星のうえに生きている存在で、そして自分もまた自然の一部なのだな、ということでした。実際、展示最初の川内倫子さんの言葉のなかにも、

・・・改めて現在の自分の立ち位置を確かめたくなった。地域や国というくくりではなく、ひとつの星の上に在るということを。(抜粋)

とありましたが、写真をみていると、そうしたことを深いところで感じ、意識がふわっと広がっていくような感じがしました。

自分の心が疲れ気味のときに訪れたこともあってか、このすずめの亡骸の写真をみたとき、ちょっと泣きそうにもなりました。人間のドラマを勝手に押し付けるつもりはないですが(動物は生死に関して潔く清いので)、命とか生死とか、自然の循環とか日常の一コマとか、そのなかにある一瞬一瞬の輝きとか、―うまく言葉では言い表せませんが、展示されている写真をみていると、言葉を越えた先にあるものを感じることが多くありました。

たとえばあの世に旅立つ際、自分の一生をフィルムにしてみかえしたとき、こんなふうに、一枚一枚にちゃんと光があったことを認識できたなら、きっと幸せなことだろうなあと思います。と同時に、それを今から深いところで理解することができたなら、日々の一瞬一瞬が慈しむものに変わるのかもしれない、なんてことも思いました。

…と、自分の感想をいろいろ述べてしまいましたが、まとめると、本当に良かった、シンプルにそれに尽きるのかもしれません。きっと、みる人によって抱く感想は様々だと思いますので、惹かれる人はぜひ実際にみに訪れてほしい展覧会だなと思いました。

充実感のあと、会場をあとにして外に出ると、中庭に太陽の光が優しく降り注いでいました。

そしてツリーのそばには巨人の彫刻、その名もシンギングマンというらしいのですが、その彫刻が歌っているのか口をゆっくりと開閉していました(なんだか不思議な感じのする彫刻です)。

この場所、クリスマス時期に来たことはありませんが、きっと夜になるとイルミネーションがきれいに灯るんでしょうね。

では、来た道を戻ります。まだ日中ですが、アーチ状の天井から注ぐ日差しは秋らしい柔らかなものになっていました。

オペラシティ一階から外に出る途中には池がありました。水面のさざなみが幻想的に天井に映し出されています。

今日はせっかく秋晴れでお散歩日和なので、地下鉄には向かわず、これから新宿方面に向かいたいと思います。(ここからお散歩スタートです。まだまだ続きますが、よかったらお付き合いくださいませ)

頭上には首都高がぐねーっと走っています。大きくて迫力があります。

首都高に沿ったこの道=甲州街道をまっすぐ歩いていきます。

正面向こうに、三角屋根をした三兄弟のような高層ビルがみえました。こちらは新宿パークタワー。ホテルパークハイアットや、コンランショップやオフィス等が入っているビルです。そしてその左奥にみえる双子のようなビルは都庁になります。

人気ひとけのない甲州街道をひたすらまっすぐ歩いていきます。高架下なので、空が遮られて若干暗い感じもしますが、ひたすらまっすぐ歩いていきます。で、途中、横断歩道を渡り、向かい側の道に行きます。

遠くにドコモタワーがみえました。よしよし、新宿方面に向かってちゃんと歩いているようです。ちなみにここは、あいおいニッセイ同和損保ビルの敷地なのですが、なぜかルーヴル美術館のピラミッドのミニ版みたいのがありました(なんだろ?)。

道の向かいにはキンプトンホテルがありました。まだ新しそうなモダンなホテルです。最近こういう横幅デカデカとしていない、スタイリッシュなオフィスビルのようなホテルが多い気がします。

道の銀杏の木の葉はだいぶ黄色に染まっていました。

甲州街道をまっすぐまっすぐ歩いていくと、右手に文化服装学院がありました。有名な服飾ファッションの専門学校です。人気デザイナーや有名人を多数輩出していますよね。

このあたり一体は文化学園グループの学校が並んでいます。

大学の入口横にはマネキンが並んでいました。

そしてこちらは文化学園服飾博物館。テーマに即した衣装の展示が定期的に行われています。今年はヨーロピアン・モード花のときに伺いましたが、花モチーフのドレスがどれも綺麗で素敵でした(そしてどれも華奢で小柄でびっくり)。展示自体は結構小さめですが、ワンコイン(一般500円)で気軽く楽しむことができます。

振り返ると、さっき前方にみえていた新宿パークタワーが、気がつけばかなり後方にありました。

広場をまっすぐ突き抜けていきます。

途中、地球儀のオブジェがありました。

ここは桜の木がたくさん植えられています。今はどれも葉が黄色くなったり落ちたりしていますが、春はお花見しながらお散歩ができそうです。

コンクリートの地面のうえに、一枚、赤く染まった葉っぱが落ちていました。やけに鮮やかで、目を引きます。

このまま、この道(甲州街道)をまーっすぐ歩いて行くと、新宿駅南口にでます(この先、左手にルミネ、右手に高島屋やサザンテラスがあります)。

ですが、今日は新宿には行かず、小道に右折して、代々木方面へ向かいたいと思います(というのも、行きたいカフェがあるので)。

柔らかな木漏れ日が落ちています。

見上げると、空は真っ青でした。でも、夏の空とはどこか違う青です。

ふと後ろをみると、白い網目に覆われたようなビルがみえました。こちらは東京モード学園。このあたりはファッションや美容系の学校が多い印象です。

それにしても新宿周辺はビルが多いです。しかもみんな背が高くて大きめのビルが多いです。

こちらは代々木ゼミナールの本部校。天にそびえたつような高いビルです。

踏切の遮断機がおりたので、ここでいったん足止めをします。小田急線が走っていきました。

踏切を渡ると、代々木商店街に入ります。小さな飲食店がたくさん軒を連ねている通りです。

おや、牛さん模様の車止めが目に入りました。みるとここは全酪連のよう。なるほど、酪農ということで牛さん模様なのですね。「日本初!?乳製品の自動販売機」とうたっている、チーズやバターやミルクを販売している自販機がありました。

道なりに進み、代々木駅(西口)に到着したところで、交差点をまた右折し進んでいきます。

天然たいやきの鳴門鯛焼本舗のあるところを曲がっていきます。(余談ですが、たいやきにも天然と養殖ものがあるんですよね。最初知ったとき、なにそれ?とびっくりしましたが、要は天然は一匹焼きのことで、養殖は鉄板でまとめて焼くタイプのものらしいです。おもしろいです)

ちなみにこの通りも代々木商店街とのこと。ちょっと緩やかな下り坂をくだっていきます。

途中、スーパーマーケットのマルマンストアがありました。

その先にはお米がおいしい、おひつ膳田んぼの代々木本店がありました。
そしてこの先の脇道を右折すると、すぐにあるのが、

目的のカフェ、ディムライトエスプレッソです。以前に何度か来たことがあるのですが、こぢんまりとした居心地の良いカフェなのです。
カウンター席が空いているといいなあと思っていたら、運よく壁側の方の席が空いていました(ラッキー!)。なのでレジで先に注文後、そちらの席に腰をおろしました。(窓向きと壁向きのカウンター席とテーブル席数席、あと大テーブルがひとつあるカフェです)

明るいクリスマスソングが流れる店内で待っていると、注文したカフェラテとチーズケーキが運ばれてきました。では、いただきます。

このチーズケーキ、なんだかありそうでないようなチーズケーキだなあというのが個人的な感想です。ふわっ軽やかなんだけれど、しっとりしていてベイクド感もあり、すこしホロッともしているんです。食べ心地も軽やかで、レモンの爽やかな酸味もあって、うーん、これおいしい。甘さも程よくて、思わず「しあわせー」と小さな声でつぶやきました、笑。

カフェラテもミルクたっぷりでコクもあっておいしいです。散歩の疲れが和らぎました(って、そこまで歩いてないですが。初台からここまで案外近いです)。とても時間の流れが心地よく感じられるカフェで、のんびりしたカフェ時間を満喫できました。

またそのうち来たいなあと思います。もう年末になるから、次来るのは来年になるかなあ。

それでは今日のお散歩はここで終了ということで、代々木駅…には向かわず、新宿駅の方に出てから帰宅します。代々木と新宿って、本当に近い距離なんですよね。新宿南口のサザンテラスの方から行くと、余裕で歩ける距離にあります。

真っ青な空です

今日は川内倫子さんの展覧会も本当によかったし、秋晴れということもあって、とても気持ちのよいお散歩になりました。またどこかのタイミングで、いろいろお散歩したいなと思います。

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東京オペラシティのアートギャラリーで開催中の川内倫子さんの展覧会『M/E 球体の上 無限の連なり』の会期は12月18日までだそうです。
気になる方はHPでご確認くださいませ。

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     お散歩日記、最後までお読みいただきありがとうございました☺


お読みいただきありがとうございます。