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うつ病者のためのタスク管理(1)

タスク管理はどんな人にも必要なものです。たとえその人がうつ病であっても、、、

タスク管理は「忙しい人」がやるべきことを明確にするために、抜け漏れをなくすために、優先順位をつけるために行うもののように思われています。

しかし私はやるべきことがあまり多くないと思われている療養中のうつ病の方にこそ、タスク管理が役立つと思っています。

そしてタスク管理を足がかりに少しでも快方へと向かっていただきたいです。

タスク管理とは?

世の中にはたくさんのタスク管理の手法が存在するかと思いますが、これから紹介するのはGTDと名付けられた手法がベースになっています。

GTDとはGetting Things Doneの略で直訳すれば「物事を済ませてしまうこと」です。

思いつく限りの「気になること」を書き出し以下のフローチャートに従って処理することで、目の前のタスクが「本当に今集中すべきこと」だという確信が持てて生産性を上げることができるのです。

GTD フローチャート

仕事でもプライベートでも使える手法とされていますが、うつ病の方に「2分以内にできることはすぐにやれ」などと言っても酷なことは分かりきっています。ですのでこれをアレンジして用いることでうつ病の方にもGTDを役立てていただこうというわけです。

なぜうつ病者にタスク管理?

GTDはタスクの定義を「頭の中の気になること」と定義しています。

うつ病の人の頭の中は気になることだらけです。気になることが多すぎて頭の中がパンクしている状態と言えるかもしれません。考えてもどうしようもないことを考え続けてドツボにハマり、「いったん棚上げしておく」「考えるのをやめてまず休む」ということができなくなり、その結果気分転換ができない、食べられない、眠れないなどセルフネグレクト状態に陥るのだと思われます。

治療する人にもうつ病者が何に頭を悩ませているのかは正確には分かりません。うつ病者自身が気になることを頭の中から追い出すこと、そして小さなことから状況を変化させていくことが快方に向かうために大切だと思います。

もちろんうつ病を治療するための第一の選択肢は専門医の治療を受けることです。ただし残念ながら現代の医療ではいま現在の絶望感を即座に緩和してくれる治療というものは存在しないと言えるでしょう。例えば抗うつ剤を処方してもらっても効き目があるかどうかを判断するのでさえ2週間程度待たなければなりません。相性の良い薬と巡り合うまであれこれ薬を変えながら何ヶ月も症状に耐え続けるということもあります。そんな中で何もせずにただ休めと言われても気持ちは焦るばかりです。

うつ病者自身が薬の効果を待つ間、治療に影響を与えない範囲で自分の手でできることは何かないか。その答えが「タスク管理」なのです。

GTDの詳細については開発者のデビット・アレン氏の以下の本を参照してください。

次回からGTDのうつ病者向けのアレンジについてご紹介していきたいと思います。お楽しみに!

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