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恋愛ソングにはその時代の価値観が現れていると思う。

流行りの恋愛ソングをぼーっと聴いていて思うことがある。


近年、
クズな男が良い。
クズだと分かっているけどやめられない。
誠実で一生懸命な愛より、ぞんざいにされてるくらいが良い。

みたいな女子、多くないだろうか??



そんな価値観の変化は、流行りの恋愛ソングに現れていると思うのである。

ドライフラワー/優里 2022年

声も顔も不器用なとこも
全部全部嫌いじゃないの
ドライフラワーみたい君との日々も
きっときっときっときっと色褪せる

多分君じゃなくて良かった
もう泣かされることもないし 
私ばかりなんて言葉も無くなった
(中略)
都合がいいのは変わってないんだね
でも無視できずにまた少し返事


恐らく別れた元彼のことを書いた女性目線の歌詞だと推測される。
元恋人は「泣かされる」存在であり、「私ばかり」
が口癖で、"私"は「都合がいい」存在だった。

それでも「全部全部嫌いじゃな」く、「無視できずにまた返事」してしまう。


別の人の彼女になったよ/wacci 2018年

別の人の彼女になったよ
今度はあなたみたいに映画観てても
私より泣いてることなんてないし
どんなことにも悔しくて本当に尊敬できる人なの

キスや態度だけで終わらせたりせずに
ちゃんと「好きだ」という言葉でくれるの
怒鳴り合いはおろか口喧嘩もなくて
むしろ怒るとこがどこにも無いの

だからもう会えないやごめんね
あなたも早くなってね
別の人の彼氏に
私が電話をしちゃう前に

これも同じような雰囲気。
元彼は「キスや態度だけで終わらせる」人で、口喧嘩ばかりしていた。
今の彼は、「本当に尊敬できる人」で、「好きだ」という言葉をくれる。
それなのに、元彼に未練タラタラで、
最終的には「早く彼女作んないと私が連絡するのも時間の問題だぞ」で終わる。



しかし、思い返してみればわたしが小学生や中学生の時は、こんな歌詞流行らなかった。

君に届け/flumpool 2010年

君に逢えたこと本当に良かったとそう言える
その笑顔を守りたい
来年も再来年も今以上に君が好きで
それくらい僕の全てで
僕にしか言えない言葉を今君に届けたい


告白/FUNKY MONKEY BABIES 2009年

大好きだ大好きなんだそれ以上の言葉を
もっと上手に届けたいけど
どうしようもなく溢れ出す想いを伝えると
やっぱ大好きしか出てこない



そう、こういうの!!!こういうのだ。 

「好き」という言葉をストレートに伝える。
「来年も再来年も今以上に君が好き」
「やっぱ大好きしか出てこない」
こんな言葉を聴いて過ごした小学生時代は、
「恋愛って素敵なものなんだな❤️」
と、たぶん、思っていた。


等身大のラブソング/Aqua Timez  2009年

百万回の「愛してる」なんかよりも
ずっとずっと大切にするものがある
俺は何も言わずに抱きしめるから
お前は俺の腕の中で幸せな女になれ


こんなのも流行っていた。

 「俺の女になれ」期
→「大好きだ大好きだ」期
→「都合良い女だけど好き」期



この変化はなぜだ?

人と人との結びつきが弱くなってしまったのだろうか。

わたしが小学生の頃、
携帯電話はあったけど、スマホはなかった。
そして携帯電話は、本当にただの「携帯」する「電話」に過ぎなかった。
つまり昔は今より、多分人生で出会う人の数が少なかった。
だから「俺にはお前しかいねぇ」と思える確率も高かったんだと思う。


今はどうか。

知り合ったらとりあえずLINEとかインスタを交換する。その後実際に関わるかは置いといて、繋がっている人の数は比にならないくらい多い。

あるいはSNS、マッチングアプリ等でも簡単に人と繋がれたり、繋がりを断つことができたりする。
だから「都合のいいカス」の母数も多いし、「俺にはお前がいなくても他がいる」となってしまうのだろうか。


また、結婚することが当たり前でもなくなってきたし、女性が自立しているのも当たり前になりつつある。
そんな中で、
「誠実で一生懸命な愛」を必要としない女性が増え、
昔よりも「結婚」を最終ゴールとせず、
いわば娯楽のような形で恋愛を楽しむ、そんな価値観がある気がする。


でも一度好きになってしまったものは好きだから、
仕事や自分の生活と両立させるのにちょうど良さそうなクズに、まんまとハマってしまう。


そんな考察をした。

何も調べていない。ただのわたしの憶測である。
でも、流行りの恋愛ソングというのはなかなかにその時代を反映してて、よくよく聴いてみるとけっこうおもしろい。


本当は昭和の歌とかも引用しようと思ったけど、全然思い付かなかったのであくまで2009年〜現在までの考察です🤗💫

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