日記 バドミントン
好きなスポーツは?と聞かれたらバドミントンと答える。このアカウントを以前から見てくれている人はもしかしたらダンスのイメージの方が強いかもしれないが、ダンスは「みんなとやること」とか、「作品を作り上げること」が楽しくて、スポーツとして一番好きなのはバドミントンだ。
バドミントンは中学の3年間部活でやっていただけだけど、そこでどハマりした。確か平日は他の部活との兼ね合いで週に2回しか体育館が使えなかったが、部活が終わった後に地域のおばさまやおじさまや大学生たちが集まるバドミントン会に行って練習したり、学童で自分たちで部活を作って練習したり、他校のすごい強い子たちと仲良くなって休みの日にやったりしていた。今思い返すとすごい熱量である。
そういうわけでバドミントンがたまにやりたくなるのだが、経験者からすると芝生の公園でキャッキャしながら打ち合っているカップルは全く羨ましくなくて、・風が吹かない屋内で・ちゃんとしたラケットとシャトルで・経験者同士でやりたい。
大学生の時はたまに高校や中学の友達を集って地域の体育館でやっていたりしたが、これもまたなかなか面倒でその体育館によってバドミントンができる曜日と時間が決まっているのだ。大学生の時は暇だったから平日の昼でも行けたが、今は難しい。ただいまの私はニートなので行ける。だが、一緒にやってくれる人がいない。
住んでいる区の総合体育館を調べてみると、バドミントンの枠は結構多めにあった。しかも、「火曜日は外部指導員が入ります」とある。これは大チャンスじゃないか。そういうわけでチャリを10分漕いで体育館に向かった。
この街にはもう引っ越して1年以上経つが、区の施設利用ビギナーの私は、総合案内のおばさんに教えてもらいながら利用券を購入する。「高校生?大学生?」と聞かれて、「いいえ社会人です」と言うのは恥ずかしくて「大学生です」と言っておいた。まだまだ自分は年齢を下に思われるより上に思われる方が嬉しいお年頃である。
体育館の中に入ると、バドミントンコートが4面あり、1面は空いていた。奥から、若めのコーチっぽいお兄さんと生徒のおばさん、空きコート、カップル、うまいおじさんとお姉さんのペアだ。私は空きコートの近くに荷物を置いて腰掛けて、「誰かを待っている風」でストレッチを始める。だが、誰とも約束していないんだから誰も来るわけがない。ていうかスマホみて気づいたけど今日月曜日じゃん。指導員いないじゃん。
となると残された選択肢はこの3面のうちのどこかの仲間に入れてもらうことになる。コーチのお兄さんと生徒のおばさんはレッスン中だから無しだ。カップルは下手くそだから無し。平日の昼間からイチャイチャしないでください。となると、自分のレベルよりもちょっと上そうなうまいおじさんとお姉さんしか無くなる。声をかけてみようか。なかなか勇気が出ずに、またどこを伸ばしてるのか良くわからないストレッチを再開した。そこからさらに10分くらい悩んだが、勇気を出して声をかけてみることにした。
「あの〜すみません今日初めて来るんですけど、指導員がいる日と勘違いして1人で来ちゃったんですけど〜…😅」
「ああ、火曜日は指導員が来て、みんなで楽しくゲームしてますよ。良かったら一緒に打ちますか?」
すんなりと仲間に入れてもらえた。恐る恐る、2人はどんな関係性なのか聞いてみたところ、この体育館で火曜日のゲームで知り合って、そのライングループがあって今日打てる人を募った結果2人になったらしい。こんなところにコミュニティがあるのかと驚いた。
おじさんはお姉さんに「シンさん」と呼ばれていた。「慎介さん」なのか、「慎太郎さん」なのか、あるいは「秦さん」か「進藤さん」か、真相は分からなかったが親と同じくらいの年齢のシュッとしたおじさんだ。飲食店をやってるっぽい。お姉さんの名前は最後までわからなかったが、この後遅番で仕事と言っていた。看護師とかそっち系だろうか。
ちゃんと打つのは実に5,6年ぶりだったが、我ながらさすがは若いわたし、すぐに感覚を取り戻した。やっぱりバドミントンは楽しい。わたしは「ドロップ」や「ヘアピン」といった、「自分は最小限の体力で打って相手を最大限走らせる技」が大好きだ。性格を表しているんだろうか。
ゲーム形式で本番通りの21点マッチをやったが、
まじでしんどすぎてびっくりした。15点くらいの時はもう早く終わってくれと思っていた。こんなに体力が落ちていたのか。ちなみに、「バドミントンがうまいおじさんやおばさん」というのはこの世に一定数存在する。「シンさん」は2対1でわたしとお姉さんの相手をしてくれたわけだが、その年齢でその体力って化け物だと思う。
無事復帰戦を終えたわたしはヘトヘトになりながらも、明日のゲームにも誘ってもらえた。ウキウキでまたチャリを漕いで帰り、とても久しぶりにガットを張り替えて明日に備えることにした。