そのインプット、消化不良起こしてない?
「耳読」「片耳イヤホン」という単語が浸透してどれくらい経つんだろう。Zoomオンラインイベントの「耳だけ参加」も市民権をばっちり得てる。
一見非生産的とも思える時間が一気に生産性の高い時間の使い方に変わるなんて、日々時間がないと追われている私たちに一筋の光。
毎日会社と学童、保育園のダブルお迎えを挟んで自宅を行き来してた日々。帰宅したらもちろん息つく間なんてなくて仕事着のままキッチンへGOだ。
「働き方を変えたい」と考えながらも毎日の生活をまわすのにいっぱいいっぱいでとにかく「何かしなきゃ、今の状況を変えなくちゃ」と気持ちだけ先走りしてた。
そんな時に音声配信やビジネス系youtubeに出会って、毎日のように「ワーママライフハック」や「ビジネス書要約」を聞いては「ひゃっほー、これで隙間時間を生活やキャリアに役立つ時間に変換できるわー」となんて舞い踊ってた。
耳が空いてる時間に何かしらインプットできている。と思うと日々感じる「今日も何もできなかった」感を少し和らげてくれてクセになるから怖い。
もちろん実践に移して役に立つ情報はたくさんあったし、色んな考えに触れて世界も広がったとは思っているけど、隙間時間をインプットで埋め尽くして安堵してただけだったかもしれない。
あの頃の自分にあったら聞きたいなって思うことがある。
なぜかというと5年前ビジネス書要約チャンネルで出会ったジュリアン・キャメロンの著書「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」。の本の魅力を半分も理解できていないことが最近わかってショックだったから。
当時はyoutube要約のエッセンスだけ抽出してワークの中心である「モーニングページ」(脳の朝一デトックスのための日記)を取り入れた。
自分にあっていたのか細々と休みながらも現在まで5年ほど続いている。
これだけでも効果は感じられたけど、最近改めて本を買って衝撃の事実に気づいた。
そもそもこの本で紹介されている12週間の創造性開発プログラム(The Artist Way)はモーニングページとアーティストデートのワーク2つの実施がセットになっている。(そのワークなに?という説明は今は割愛)
要約をさらーっと耳読していただけだったからモーニングページしか印象が残らなかった模様。もしくはもう一冊の本いくつになっても「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」の要約を聞いていたのかも。
いやーどっちにしろ朝活のメインでやっていることだったのに、対になってはじめて相乗効果があらわれるように作られていたとは全く知らなかった・・・!5年間ももう一つのワークを知らずにいたのかって悔しかった。
悔しいという感情は、当時要約チャンネルを鵜呑みにして、本を読んで自分がどう感じるかの作業を省略して近道しようとしてせっかくの良書を理解できていなかったという自分に対しての気持ち。
こんなことがきっかけで、手軽にファストインプットを続けてると情報メタボになってせっかく出会った情報もうまく消化できなくなっちゃうんじゃないかなと考えたという話でした。
インプットした情報から何を考え、どう他のことと結びつけたのか。
どんな気づきから実生活に活かすのか?
自分で考えて消化していかないとこんな5年越しにひょっこり消化不良なまま出てきちゃったりするんですね。
読書は本との対話っていうけど、やっぱり誰かのフィルターを通した要約じゃなくて1対1で向き合おう、そう思い直したくなる出来事だった。
まぁそんな5年越しの出会いも楽しんでいけばいいと思うけど、ふと目や耳にインプットシャワーをかけていたあの頃の自分を思い出したので綴ってみた。
たまに自分のお腹をポンポンして、消化具合をチェックしてみようかな。