革新か、革命か。
イノベーションという言葉を産業界で、
よく耳にする。
他方で、レボリューションという言葉はあまり聞かない。
●イノベーションの定義とは、
既にある技術を改良する事。日本語で訳すと、革新だ。
●レボリューションの定義は、
今あるものとは全く違う、新しいものを生み出す事。日本語で訳すと、革命だ。
イノベーションが多用されている日本の産業界では、革命的なプロダクトを望んでいるわけではないようだ。あくまで、あるものを改良が望まれているのだ。
スタートアップに対するプログラムをみていても、VCの投資金額を考えてもあくまでも望まれているのは、革命ではなく革新なのだろう。
(だけども、スタートアップは革新ではなく革命を起こそうとする意識で事業を行なっている…)
話は変わるが、
アートの世界では国境は関係ない。アートの世界で求められているものは、イノベーションではない。それだけでは、価値がつかない。今までの歴史に残っている、歴史を築いてきた巨匠たちはみな、レボリューション、革命的な事を行なってきたと思う。その時代からすると、その表現、表現方法なんて非常識扱いされたり、死後評価されている事も多々見受けられる。
レボリューション、革命といっても、フランス革命のような血を流すものではない。視点を変える、という意味の革命だ。
今まで価値を見出されていなかったものが、価値として認められるようになったり、価値観が変わるのだ。
アートの世界で革命を起こすには、新しい概念、新しい視点を提唱するのだ。歴史、美術史を知った上で塗り替えるのだ。常識を覆すのだ。それは、簡単にはいかない、認められない。
そもそも、何をどう価値として提示するか。魅せ方も、求められる。
巨匠村上隆さんがおっしゃっているように「現代アート市場で闘うには、新しい宗教、概念をつくるようなものだ」という事なのだろう。
とても難しい。創作力だけでなく、思想も必要なのが現代アートの世界。
どちらも出来る人は少ない。
だからこそ、それを成し遂げた村上隆さんの言葉には重みがあるし人の心に響くのだろう。
革新か、革命か。
私は今どちらに向かっているのか。
その道でいいのか、自問自答を繰り返したい。
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