「食」の絵本②―『ぜったいたべないからね』
"「食」の絵本"第2回目は、マヨセレクトです! 突然ですが皆様は、食べ物の好き嫌いはありますか?今回の絵本は、好き嫌いがテーマになっているあの作品です。あなたの好き嫌いも、もしかしたらなおっちゃうかも!?それでは、お楽しみください◎
マヨ:では私が。『ぜったいたべないからね』。
『ぜったいたべないからね』
(ローレン・チャイルド 作 木坂涼 訳 フレーベル館 2002年) ※2016年 新装版発行
【あらすじ】
チャーリーとローラのおはなし。お兄ちゃんのチャーリーは、時々妹のローラの面倒を見なければなりません。でもそれはとっても大変。ローラは好き嫌いが激しいのです。そんなローラが、ご飯を食べられるように、チャーリーは考えました。食べ物の名前を変えてしまおう!にんじんは、遥々木星から来た"えだみかん"、グリンピースは、地球の反対側で空から降ってくる珍しい食べ物"あめだまみどり"。それを聞いたローラは、「なかなかいけるかも」なんて言って食べ始めたのでした。お兄ちゃんの考えたユニークな方法で、嫌いなものでも楽しく食べられちゃう、愉快な兄妹のお話です。翻訳のリズミカルな詞も、お話の楽しさをより引き立てています。
ナナ:えへへへへ。
マヨ:もうみなさんご存じですね。
テン:うん。でもしばらく読んでないから読んで欲しい~!
ナナ:読んで読んで。
テン:あー!サイン入ってる!
マヨ:そう!もろてん~。
ナナ:え~、すごーい!
マヨ:どっかに来ててん。図書館やったかな。そのとき話聞きに行って。
テン:来日してたんやぁ。
マヨ:そうそう。
ナナ:ご本人のサインとかすごいね!
〜マヨ音読中〜
テン:妹、素直やねんな~。色々言いつつ(笑)
マヨ:ええ子やんな(笑)
テン:何歳ぐらいの設定なんやろ?
マヨ:4、5歳くらいかな。
ナナ:名前変えたら食べられるっていいね。
マヨ:実際やってみたら食べてくれるんかな。
テン:いや、まず登場する食材が異国情緒あふれてるからな(笑)
マヨ:ほんまな(笑)
テン:女の子がさ、ママとグリンピースの攻防する絵本思い出したわ。なんやっけ。
ナナ:おかっぱの女の子が表紙にドーンっているやつね。
『ちゃんとたべなさい』
(ケス・ゲレイ文 ニック・シャラット絵 よしがみきょうた 訳 小峰書店 2002年)
テン:これや(笑)
苦手なのは同じお豆やけど、この本だと何か買ってあげたりとか、交換条件がすごいねんな(笑)
ナナ:そうそう。どんどん増えていくんだよね(笑)
テン:グリンピース食べたらお風呂入らなくてもいいし、アイスクリーム100個買ってあげるし、チョコレートの工場もあげるって(笑)
マヨ:なにそれ~!(笑)ほんで最後ちゃんと食べるん?
テン:ううん。最後は、"だったらママもちゃんと芽キャベツ食べて"って(笑)
マヨ:あっっはははは!(爆笑)
テン:"でもママ、芽キャベツだいっきらいなのぉ"って(笑) 結局、着地点は、"でもママも私もアイスクリームはだーいすき!"っていうね(笑)
マヨ・ナナ:あははははは(笑)
テン:本末転倒(笑) 好きやわーこの絵本も(笑)
ナナ:どっちも食べないんか―いっていう(笑)
まぁ選択肢としてはありだけどさ。
マヨ:まぁ無理に食べんでもな(笑)
テン:でも、このママよりこっちのお兄ちゃんの方が賢いかな(笑)
ナナ:交換条件はね、やっちゃうときりないからね。
テン:それなら「え、それグリンピースちゃうで」って言われた方がおもしろい(笑)
ナナ:"くもぐちゃらん"とか"まんげつぶちゅっと"とか…。
テン:それって、原書で名前どうなってんのかな。
ナナ:原書気になる…!
マヨ:なんなんやろね~!
テン:"くもぐちゃらん"は多分、Cloudy…
ナナ:Cloudy…
マヨ:ぐちゃらん…?ぐらちゃらんってなんや(笑)
テン:"PON PON"とか(笑) ありがち(笑)
ナナ:木坂涼さんだっけ、訳。
マヨ:そうそう。
ナナ:じゃあ、すごいオリジナルで訳してそうだね。木坂さんってあの人の奥さんだよね…えーっと…アーサー・ビナードさん※。
※アーサー・ビナード…
アメリカ生まれ広島市在中の詩人・俳人、随筆家、翻訳家。詩集や絵本の翻訳を多く手掛けています。また、自作の写真絵本『さがしています』(岡倉禎志写真 童心社 2012年)や、『ドームがたり』(スズキコージ絵 玉川大学出版部 2017年)など、原爆をモチーフとした作品も有名です。
テン・マヨ:え!
テン:(調べて)ほんまや~!
マヨ:へぇ~~~~すぎょい。
ナナ:原文知りたいな~!最初の食べ物なんだっけ。
マヨ:えっとね~、"えだみかん"。
ナナ:枝ミカン(笑)
マヨ:"えだみかん"、"ころもうみ"、"まんげつぶちゅっと"…。
ナナ:すごい日本語センス(笑)
マヨ:でもこうやって食べてくれたらいいよね。
ナナ:楽しく解決するって、いいよね。「食べなさい—!」とか交換条件とかじゃなくて、最後は子どもが自分から食べたくなる、っていうのが一番いいよね。
マヨ:ほんまにこれで食べてくれるんか知りたい。
テン:フィールドワークでやってみよう(笑)
マヨ:ほんまやなぁ(笑)
テン:大人でもできるやん。私キノコ嫌いやからなんか名前つけて~って(笑)
マヨ:なんやろ~。でもセンスいるよな。名前だけじゃなくて、バックストーリーもいるやん。
ナナ:そうだよね。人魚のなんちゃらで…とか。
テン:世界観を丸ごと作らなあかんもんな。名前とともに、設定を。
マヨ:そうそう。だからこそ幼稚園とかでやったら楽しそう。
ナナ:小学生とかでもいいかもね。
マヨ:面白そう!
テン:結局、「食育」とはいえ「食べる」ってことを楽しむとか、食事する過程が面白いとかさ。美味しい美味しくないは勿論あると思うけど、「食べなさい」って言われて食べる、みたいだと自発性は無いよね、ナナもさっき言ってたけど。遊び食べも、やりすぎたらお行儀悪いけど、食事を楽しめる努力をしてるところが、すごくいいお兄ちゃんやなと思うねん。食べるの楽しくないとか、"食事=いっつもつらい思いをする時間"とかのイメージになったら、食べれるもんも食べられへんもんな。
マヨ:そうそう。楽しないもんな。そこが一番でかいよな。この絵本は、食べさせる側も食べる側も、どっちも嫌な思いしないねん(笑)
テン:ところでさ、それって写真のコラージュ?
マヨ:そうそう、写真と手描き、あと布とかもある。コラージュやね。
ナナ:お洒落よね。
テン:戸棚のところに文字いれるのもいいなぁ。
マヨ:うん!おしゃれなんよなぁ、ほんま。
ナナ:発想がステキ。
マヨ:画面よく見ると、ニンジンと女の子とか別々に作ってて。一緒じゃないねん。
テン:エリック・カール※の技法みたいな。tuperatupera※もか。
※エリック・カールは、言わずと知れた大人気絵本『はらぺこあおむし』(偕成社 1976年)の作者ですね。tuperatupera(ツペラツペラ)も、『やさいさん』(学研 2010年)などの絵本や、子ども番組のアートディレクションでも人気の絵本作家です。どちらも、様々な素材を画面に貼り付ける"コラージュ"という技法を得意としています。
ナナ:そうだね。
マヨ:あと構図がおもしろい。大胆で。
マヨ:あとはこんな候補もあったよ。『うどん対ラーメン』(田中六大 作 講談社 2016年)。
ナナ:あはははは。それあるねー!
テン:なにそれ知らん~!
マヨ:あと『たべもんどう』(鈴木のりたけ 作 ブロンズ新社 2015年)。
ナナ:あぁ~、のりたけさんの謎かけのだね。
マヨ:それから、『しろくまちゃんのほっとけーき』(わかやまけん 作 こぐま社 1972年)、『うどんのうーやん』(岡田よしたか 作 ブロンズ新社 2012年)。
テン:わー出汁飲みたいー、うどんー(笑)
ナナ:単純に、食べ物の絵本っていいよねぇ。加藤休ミさん※とか、さいとうしのぶさん※とか…美味しそうな絵本。それだけでいいよね。
※加藤休ミさんは、クレヨン画で食べ物をリアルに再現した『きょうのごはん』(偕成社 2012年)などで人気の絵本作家。さいとうしのぶさんは、食べ物をユーモアたっぷりに描く絵本作家で、『あっちゃんあがつく』(みねよう原案 リーブル 2001年)などが人気です。
マヨ:うん。美味しそうなだけでも十分。
嫌いなものを無理に食べさせるのではなく、楽しんで食べられるようにする、これも立派な食育ですよね。食事の時間は、やっぱり楽しい方がいい!
人参やグリーンピースは苦手だけれど、"えだみかん"、"あめだまみどり"、それから「ぎょうれつきいろ」なら食べられるかも!…あ、「ぎょうれつきいろ」ご存知ありませんか?小人が行列してでも食べるという、黄色いあれですよ!わかりましたか?
さて、まだまだお腹は空いています!次の絵本は何でしょう??
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