読書メモ『地球星人』村田沙耶香さん
わたしは結構、村田沙耶香さんの書く物語が好きな気がする。
村田さんの本を読むと、自分が幼少期から感じてきた、もやもやとするけれども言葉にできなかった違和感とか、自分だけがおかしいのかな?とか、そういうことを言語化してくれる。世界の解像度をあげてくれる。
でも、同時に背筋がゾクッとする。
先日、村田沙耶香さんの『地球星人』を読了した。
何の前知識もなく、ただ図書館で、あっ、村田さんの本だ。表紙も何だか可愛い!と思って手に取った。
幼少期の主人公たちの境遇が辛く、また、周りの大人が俗に言うクズすぎて正直読んでいられない部分もあった。村田さんの文書が上手いばかりに登場人物の気持ち悪さや不快さがダイレクトに伝わってしまうので、数ページはざざっと、本当に目を通すだけという位のスピードで読み進めた。そうしないと先に進めなかったのだ。
ラストは捉えようによってはホラーである。狂気じみてる。
これは、万人にオススメして良いような作品ではないのかもしれない。
でも、読んでよかったとわたしは思う。
女性として生まれたからには、結婚して子どもを生み育てる。そんな「人間工場」に馴染めない主人公。
この世界のシステムに対し、何も疑問に思うことなく過ごせるほうが、もしかすると幸せなのかもしれない。