GOOD WAR 15.幽霊の散歩
今日は劇場で稽古のできる日。スケールが違う、見え方も違う。
結局その演出はなくなってしまったのだが、とあるシーンの演出を不愉快に感じた。
こういう男(限定するが)いるわと思ってしまう。人をナチュラルに下のものとして見てるんだよな。存在として軽視されている感じ。
相手に意識的な悪意がない場合ももちろんある。
稽古中、某誌の記者さんがいらして取材をしてくれる。
朗くん、伊奈さん、綾子さんで写真を撮られる際、
記者の方「ポーズなんですけど、演出してるように……」
3人「「「演出してるように!?」」」
ということがあって笑った。
結局ふつうの集合写真風に直立で並んで撮ることになったが、最終的には「なんかこう、雑談してる風に……」と演出されていた。
そこからしばらく、朗くんは取材、伊奈さんと綾子さんは稽古。
本番でもなんでもない日の劇場が好きだ。なんて特別なんだろう。大きいのも小さいのも。
本番の日の劇場は、緊張感があって、しゃんとしていて、よそゆきの顔をしている。
でもそれ以外の劇場は、ぽかんとしていて、脱力していて、どこかだらけた顔をしている。
弛緩した劇場に足を踏み入れること、なんて特別なんだろう。たぶんずっと好きだな。このために舞台が好きなのかもしれないとすら思う。
劇場から洋室Bに移動して、しばし休憩。
そのうち、昨晩はこたつで寝ちゃった諸江さん登場。諸江さんが来ると稽古場の雰囲気が明るくなる。
一等賞のポーズ、彼方のポーズ、宝物のポーズ。
ネスのポーズ、どせいさんのポーズ、ギークのポーズ。
残さんのシーンはとても重要。
ゆっくりと、でも着実にでき上がってきている感じがある。
いつもより少し距離をとって、一度マスクを取って稽古してみる。
「顔が見える」ということがなんだかふしぎだ。
ずっとマスクをしていると、マスクの中の表情筋はどんどん弱りそうだし、それより上の露出している部分、目や眉周りの表情筋は発達していくのかもしれない。
幽霊って成仏すべきなのか、それともずっと「あの日」にいるが幸せなのか。
最後、幽霊=「あの日」をどう扱いたいのかがラストのあり方につながる気がする。
以下顔。
以上。
出席:河井、伊奈、諸江、山下、渡辺、田中
日時:2021年1月20日
場所:京都府立文化芸術会館
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ルサンチカ 『GOOD WAR』
「GOOD WAR」には、私たちが「戦争」と聞いて想像する争いと、社会に実際に存在する争いの両方が含まれています。争いに勝った人、争うことをやめた人、これから争う人、争いから逃げる人が剣闘士として登場し、「よい争い」と「わるい争い」の区別がないことを実感しながらも、自分(や自分の周囲)の生活のために争いを行います。
私たちは生きている限り、これからも誰か(または環境)と戦い続けなければいけません。現時点で戦っていなくても、生きている限りいずれ争いに巻き込まれます。『GOOD WAR』ではそのいずれ行われる争いと、過去にあった争いとの向き合い方を鑑賞者と共に考えるべく演劇作品を上演します。
日時:
2021年2月5日(金)、2月6日(土)
2月5日(金) 19:00
2月6日(土) 11:00/15:00
会場:京都府立文化芸術会館
チケット(発売中)
一般 予約:2,500円 当日:3,000円
U30 予約:2,000円 当日:2,500円
高校生以下:500円
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料
発売方法:パスマーケット、当日販売のみ
チケット取り扱い:
オンラインチケット(パスマーケット)→https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/012t5m11b5x68.html#detail
構成・演出:河井朗
ドラマトゥルク:田中愛美
出演:伊奈昌宏、諸江翔大朗、山下残、渡辺綾子
美術:辻梨絵子
音響・照明・舞台監督:京都府立文化芸術会館
制作:沢大洋
企画・製作:ルサンチカ
協力:古川雄大、台風クラブ、ARCHIVES PAY
主催:京都府、指定管理者 創、Kyoto演劇フェスティバル実行委員会、ルサンチカ
助成:公益財団法人全国税理士共栄会文化財団、公益財団法人パブリックソース財団、京都府文化活動継続支援補助金