テレワーク時代どう働いていくべきか③
前編・前々編では、テレワークのメリット・デメリットについて感じていることを書いてみました。
テレワークを用いた在宅勤務体制については、都道府県を跨いだ移動の解禁に伴い、各社少しずつ解除されていっているように感じます。
それに伴い、感染がくすぶっていた首都圏から少しずつエリアが広がりながら、少しずつ感染者が増えてきており、このまま第二波がくるのかなぁって思ってます。
さて、本編はテレワークが普及していった中で、どのように働いていくかを私なりに思ったことを書き綴りたいと思います。
デメリットを中心にまとめた前編では、日本の雇用慣習を考えると組織内のコミュニケーションに不自由が残り、仕事を通じた職能の向上などをスポイルしかねないことや、テレワークをできる業務・できない業務、認める・認めないなど新たな職場での格差を生みかねないと指摘しました。
しかしながら、デメリットがあるのでテレワークを取り入れないという発想では、これからの時代に取り残される可能性があります。
それでは、どのようにテレワークと向かい合えば良いのでしょうか。
このコロナ禍で世の中が一斉に取り組んだテレワークのスタイルは、そもそも出社体制で築き上げた人間関係・役割分担・組織文脈の理解をベースに成り立っており、うまくいって当たり前だと思います。
しかし、今はうまくいっているテレワーク体制ですが、このまま長期に渡っていくと少しずつ組織内の情報の共有度に濃淡が現われ、「そんな事も知らなかったの?」といった話が出てくるようになり、個々の業績の評価には直接関係せず、誰の担当業務でもないけど、その時々手の空いてる人がやっているようなエアポケットのような業務については、おそらく誰も気づかず、手を出さずで放置されていったりするのでは無いでしょうか。
また、自分から情報発信をあまりしない人、まわりの人の会話を黙って聞きながら自分の行動を調整するようなタイプの人は要注意です。自分の仕事をするための情報源が無くなってきて、組織の中での存在感が薄くなり、社内失業のような状態になってしまうかも知れません。
そして、常に色々な仕事を持っているのですが、仕事の計画性に乏しく、期限が近づいてきたものから片付けるような仕事の仕方の人も要注意です。在社の時は、廻りの人から仕事の仕方を見ながら声を掛けられたり、急かされたりして、自分の仕事の優先順位を決めているので、テレワークになると、そのような目配りが減って、役割分担がスケジュール通りこなせず、廻りに迷惑がかかる事が増え、段々と役割分担から外されていくように思います。
このように、普段顔を合わしていることで、何となく組織内で役割を担ったり、帳尻を合わせていたような仕事の方法が通用しないのが、テレワークなのかなと思います。
それでは、テレワークが普及する中で、どのようなことに気を付けて仕事をしなければ、ならないのでしょうか?
まず、マネージャーは、部下ひとり一人が今日、何の仕事に取りかかっているのか把握する必要があります。それも管理・監視という視点ではなく、部下ひとり一人の仕事の技能・能力を見極め、それぞれの力量に応じた質や量の仕事を割り振った時に、今日は、その仕事のどの程度ができていて、これからどのようなペースや段取りで完成していくのかという視点での把握です。
このコロナ禍のテレワークで、上司が頻繁にチャットをしてくる、携帯電話をかけてくるといった問題が、よくクローズアップされていましたが、部下が仕事をしているのか行動を監視するのではなく、割り振った業務に対するアウトプットの質や時間などを普段から意識することで、部下が今日何をしているのかをイメージできるようになる必要があると思います。
「テレワークで無くともマネージャーとして当然だ」という意見も多いでしょうが、この当然ができていない、あるいは出社体制の中、目で見て、会話を通じて部下の仕事ぶりを判断している事が多いと思いますので、最大限に気を張って、部下の技能・能力の見極めをする必要があると思われます。
部下に少し難易度の高い業務を割り当てるのであれば、途中にプロセスを細かく切って進捗度合を細かく報告・確認するなどの工夫は、今以上に必要でしょう。
マネージャーに管理される側である部下は、マネージャーが管理・把握しやすいように行動する必要があります。
そもそもマネージャーは、何気ない会話や仕事中の部下を見て、部下の力量や仕事の進捗を見ているのですが、見られている側として、どのように見られているかは、あまりわからないのでは、無いでしょうか?
テレワーク下では、目で見ることができませんから、仕事の緻密な段取りとそのスケジュールをリアルタイムでマネージャーに共有しておくことで、部下に割り振った業務が進捗しているのか、マネージャーは把握しやすくなります。また同僚に対しても共有しておけば、プロセスを共有している同僚にも進捗が伝わり、バトンを渡す、あるいはバトンを受け取る仕事がスムーズに進むようになります。Googleカレンダーなど各社カレンダーツールなどもありますので、デスクワークとして何をするのかなど仕事の段取りを詳細にカレンダーに入力して共有することで、テレワークの状況で仕事の面での段取りの共有はできます。
そういった仕事のやり方をするために、自分の仕事を細かくプロセスに分けて、段取りを組み立て、その段取りで仕事を進める緻密さが求められるようになります。
出たとこ勝負、行き当たりばったりの仕事の仕方では、廻りの信用を失いかねないので要注意です。言葉にすると当たり前のようですが、意外とできてない人が多いと思います。出社して仕事をしていると、緻密にスケジュール化しなくても、「ゴメンちょっと待って!」や、「すぐやります!」とコミュニケーションで誤魔化しながら何となく上手く廻している人が多いのでは無いでしょうか。
往々にして会社組織は、「自分から情報発信しない人はダメだ」とか「人の話を聴き耳立てるだけで、自分から行動を起こせない人はダメだ」と切り捨てがちなのですが、こういったタイプの人が全く仕事をしてなかったり、組織で役に立ってないという事では無く、こういったタイプの人は、みんなが取りこぼしている仕事をちゃんとフォローしていたり、積極的な人間のサポートをしていたりするもので、組織には必要不可欠な存在だと思います。テレワーク下ではこういったフォローやサポートは、テキスト化して頼まないと動けないので、よっぽど意識的にコミュニケーションしておかないと、段々とギクシャクしてくるでしょう。
世間では、部下の仕事が見えないことに不安を感じて監視する上司の話や、まわりの同僚とのコミュニケーションが減少して、自分が孤立しているように感じて不安になるといった話も出てますが、これはテレワークの問題とは別の組織的な問題があると思った方が良いのでしょう。
この別の組織的な問題については、ここで掘り下げませんが、テレワークに移行するに従い、出社時と比較して、「面倒くさい」くらいの言語化コミュニケーションとして、自己主張や情報発信を心掛ける必要があるのでは無いでしょうか?
実は前編「テレワーク時代どう働いていくべきか②」からかなり時間が経っての記事のアップとなってしまいました。上記の結論までは、直後に書けていたのですが、内容が余りにも当たり前過ぎて、しかも独自性の無い内容なので、他の考え方などを再検討してました。
職能等級制度と職務等級制度についても、メンバーシップ型組織とジョブ型組織といったよく似た定義で説明されている記事などもあり、概ね同じような主張をされているものが多く、安易なテレワークに対し、私と同じ想いの方も多いのかなぁなんて改めて認識できました。
記事を分割した以上、ありきたりの記事でも完結させようと思い、アップしますが、このテーマは今後も引き続き、世の中の変化を見ながら、考えてみたいと思ってます。何か中途半端な結論となってしまい、読んで頂いた方には申し訳ございません。
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