わたしの結婚式と、不仲な両親のこと。
国内の結婚式もすればよかったかなあ。
いつも友人の結婚式に参列するたびに、チリリと一箇所だけ焦げるような後悔が顔を出す。友達がいるバージンロードもよかったかも。友達といるところを親に見せてあげたかったかも。祖父母にドレス姿を見せてあげられなかったな。向こうのご両親は、普通の結婚式がよかったよな。
そう、ちょっと思ってしまう。
それでも、どうしても私は会社の人の乾杯の挨拶が嫌だったし、両親への手紙で「2人みたいな夫婦になりたいです」みたいな綺麗事を言えないと思った。昨日、そう言っていた親友のことが、心底羨ましかった。
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私たちはバリ島で、家族だけで結婚式をあげました。
当時のわたしは国内での結婚式はあまり考えられなくて。海辺の挙式に強烈な憧れがあって、それを叶えられたから人生で一番いい出来事だったと胸を張って言える。みんなに大声でおすすめしたいくらい最高だった。それは本当。
でも、きちんと家族と向き合えなかったことが、国内挙式への後悔になっているのかもしれない、とおもった。
わたしが家族をそんな畏まったお祝いの席によぶことに、大勢の前に出すことに不安を覚えてしまったのだ。両親が不仲なので、結婚式での大役をみんなの前でしてもらうことが不安だった。祖父母は父のことが嫌いで、いつも悪口ばかりで、同じ席にするのが嫌だった。両親が各卓へ挨拶回りをしたり、ゲストではなくてホスト側になってしまうこと。不安はキリがなかった。
親なのに。大人だから、たった1日、うまくやってくれるはずなのに。信じきれなかったんだとおもう。そして周りがまだ結婚をしていない時期だったから、私の結婚式列席の経験も少なくて。こういうものだ、こうしなければならないものだ、とガチガチの固定概念に縛られていた。
もっと自由でよかった。
友人と親だけの式でもよかったと思うし、バージンロードは夫と歩くスタイルを国内挙式でもできたかもしれない。たくさんいい友達がいることを両親に見せられたとおもうし、祖父母にドレス姿を見せられなったことも、チリチリと後悔している。
でもそんなことをちらっと母に言ったことがある。「海外で気楽でよかったよ〜!楽できた、ありがとう」と言ってくれて。それは本心のように思った。マイナス面なことを言うとたくさんの不安があったけれど。一番感謝している母に大変な思いをして欲しくなくて、家族を一番のゲストにしたくて、海外旅行を選んだ気持ちも、本当なのだ。
うん、このnoteを書いていて思い出した。母が父にイライラする姿をずっと見ていて、結婚式の日だけは見たくなかったこと。南国が行きたいが口癖の母を連れていきたかったこと。畏まった行事が嫌いな母のために。
その気持ちを優先させたかったんだった。
そうだった、そうだった、忘れていた。マイナスな気持ちに心を支配されてしまうのはよくないね。
その時の最善だと思った手も、のちの考え方が変わって、後悔をしてしまうこともある。それでも、やっぱりその時の気持ちを優先した結果だから。その時の葛藤をリアルに思い出して。当時のわたしの気持ちに寄り添ったら、やっぱりそれが最善手だったのかもしれない。
写真を見ていたら、やっぱり、これでよかったとおもった。
選択に自信をもつことは難しいけれど。それでも。