不意に魅せられて手を伸ばした花に
近づきすぎては刺されて
ぷくりと浮かぶ赤い丸に
ぽおっとして気づかないままで
気がつけば赤玉は流れになって
ぽおっとしたままに
血が抜けていく生命は動きもせず
赤を流し続けて
あるときはっと目が覚めて
流れを止めてからふと気づく
刺されたのだ。
息を
吸って
吐いて
少しずつ再来する流れに
手を伸ばしすぎたのか。
と疑い
手を伸ばさずに生きていかねばと
螺旋を降りて
棘跡も消え花のことさえ
忘れているのに
私の花ばかり少し
しおれてしまった
水をやりましょう
また手を伸ばせるように
抜けた赤を創生できるように